薬機法とは簡単に何?対象商品・NG表現・広告チェック早見表

最終更新日:2026年7月2日

薬機法(やっきほう)とは、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器、再生医療等製品などについて、品質・有効性・安全性を確保するための法律です。

簡単にいうと、薬機法は「医薬品や化粧品などについて、消費者が誤解しないように、販売・広告・表示のルールを定めた法律」です。広告実務では、「効く」「治る」「改善する」「医師も認めた」といった表現が問題になりやすく、LP、バナー、SNS、記事LP、アフィリエイト広告でも注意が必要です。

この記事では、「薬機法とは簡単に知りたい」という初心者の方に向けて、読み方、対象商品、広告規制、NG表現、景品表示法との違い、公開前チェックリストまで実務目線で整理します。

読み方も確認

  • 薬機法 読み方:やっきほう
  • 医薬品医療機器等法 読み方:いやくひんいりょうききとうほう
  • 効能効果 読み方:こうのうこうか
  • 標ぼう 読み方:ひょうぼう
  • 景品表示法 読み方:けいひんひょうじほう

この記事の要点

  • 薬機法とは、医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器などの品質、有効性、安全性を確保する法律です。
  • 広告では、虚偽・誇大広告、承認範囲を超える効能効果、医師等の保証に見える表現に注意が必要です。
  • 薬機法第66条は「何人も」が対象であり、メーカーだけでなく広告代理店、アフィリエイター、インフルエンサーも対象となり得ます。
  • 一般化粧品、医薬部外品、健康食品、機能性表示食品では、言える範囲が異なります。
  • 実際の適否は、文言単体ではなく、商材区分、根拠資料、画像、注記、前後文脈、表示全体で個別判断が必要です。
参考資料(出典):
e-Gov法令検索「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」:薬機法の正式名称、目的、対象区分の根拠です。

薬機法とは簡単にいうと?

薬機法とは、正式には「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」といいます。旧称の「薬事法」と呼ばれることもありますが、現在の正式名称は薬機法、または医薬品医療機器等法です。

薬機法は、医薬品や化粧品などの製造・販売だけでなく、広告にも関係します。たとえば、一般化粧品であるにもかかわらず「シミが消える」「ニキビが治る」といった治療的な表現を使うと、薬機法上の問題となる可能性があります。

薬機法を広告担当者向けに一言でいうと

広告担当者にとって薬機法は、「その商品でどこまで効能効果を言えるか」を判断するための基本ルールです。

項目 簡単な説明
薬機法の目的 医薬品等の品質、有効性、安全性を確保し、保健衛生の向上を図ることです。
広告で重要な点 虚偽・誇大広告、承認範囲を超える効能効果、医師等の保証に見える表現に注意が必要です。
対象になり得る人 メーカー、販売会社、広告代理店、アフィリエイター、インフルエンサー、制作会社などです。
判断のポイント 文言単体ではなく、商材区分、根拠資料、画像、注記、前後文脈、表示全体で判断されます。

薬機法と薬事法の違い

薬機法は、旧薬事法が改正されて現在の名称になった法律です。検索や社内会話では今でも「薬事法」と呼ばれることがありますが、現在の正式名称は薬機法、または医薬品医療機器等法です。

実務上は、「薬事法チェック」という表現が使われることもありますが、広告審査や社内資料では、現在の正式名称である薬機法を使う方が正確です。

呼び方 意味 実務での使い方
薬事法 旧名称として使われることがある呼び方 古い資料や会話では見かけますが、現在の正式名称ではありません。
薬機法 現在一般的に使われる略称 広告審査、社内確認、記事作成ではこの表記を使うのが分かりやすいです。
医薬品医療機器等法 現在の法律名を短くした呼び方 公的資料や法務文書で使われることがあります。

薬機法の対象商品【早見表】

薬機法の広告規制を考えるときは、まず商材区分を確認することが重要です。同じ美容・健康系の商品でも、一般化粧品、医薬部外品、健康食品、機能性表示食品では、広告で言える範囲が変わります。

商材区分 主な例 広告表現の基本的な考え方
医薬品 処方薬、市販薬、漢方薬など 承認された効能効果・用法用量の範囲内で表現する必要があります。
医薬部外品 薬用化粧品、育毛剤、制汗剤、薬用歯みがきなど 個別に承認された効能効果の範囲内で表現することが前提です。
一般化粧品 化粧水、美容液、シャンプー、ファンデーションなど 原則として、厚生労働省が示す化粧品の効能効果56項目の範囲内で表現します。
医療機器 コンタクトレンズ、家庭用医療機器など 承認・認証等を受けた使用目的や性能の範囲を超えない表現が必要です。
健康食品・サプリメント 栄養補助食品、サプリ、健康茶など 医薬品的な効能効果を標ぼうすると、未承認医薬品の広告とみなされるリスクがあります。
機能性表示食品 届出番号のある食品など 届出内容に即した表示が前提です。届出内容を超える広告表現には注意が必要です。
参考資料(出典):
厚生労働省「化粧品の効能の範囲の改正について」:一般化粧品の効能効果56項目の根拠です。
消費者庁「機能性表示食品について」:機能性表示食品制度と届出内容確認の根拠です。

薬機法の広告規制で重要な3つの条文

広告実務で特に押さえたいのは、薬機法第66条、第67条、第68条です。とくに第66条は「何人も」と定めているため、メーカーだけでなく、広告代理店、アフィリエイター、インフルエンサー、記事LP制作者なども対象となり得ます。

条文 内容 広告実務での注意点
第66条 虚偽・誇大広告等の禁止 効能効果や性能について、明示・暗示を問わず、虚偽または誇大な広告をしないことが求められます。
第66条2項 医師等の保証に見える広告の禁止 医師、専門家、研究者などが効能効果を保証しているように見える表現には注意が必要です。
第67条 特定疾病用の医薬品等の広告制限 がん等の特殊疾病に関する一般向け広告には制限があります。医薬品領域では個別確認が必要です。
第68条 承認前の医薬品等の広告禁止 承認・認証を受けていない医薬品等について、名称、製造方法、効能効果、性能を広告してはいけません。

実務上の注意

薬機法の適否は、単語だけで一律に判断できるものではありません。商材区分、根拠資料、画像、注記、販売ページ全体の構成、口コミ、Before/After、SNS投稿の文脈などを含めて個別に確認する必要があります。

参考資料(出典):
厚生労働省「医薬品等の広告規制について」:第66条、第67条、第68条、措置命令、課徴金、罰則の根拠です。

薬機法上の「広告」に該当する3条件

薬機法では、すべての情報発信が広告になるわけではありません。厚生労働省の通知では、次の3要件をいずれも満たす場合、広告に該当すると考えられています。

広告該当性の要件 実務での見方
顧客を誘引する意図が明確であること 購入、申込み、資料請求、来店などにつなげる意図があるかを確認します。
特定の商品名が明らかにされていること 商品名、ブランド名、販売ページ、リンク先などから特定商品が分かるかを確認します。
一般人が認知できる状態であること Webページ、LP、SNS、動画、広告バナー、記事LP、メール広告など、一般消費者が見られる状態かを確認します。
参考資料(出典):
厚生労働省「薬事法における医薬品等の広告の該当性について」:広告該当性の3要件の根拠です。

広告表現が薬機法に触れないか不安な方へ

LP、バナー、SNS投稿、記事LPなどは、文言だけでなく画像や注記を含めた表示全体で確認する必要があります。
AIによる広告法務チェックツール「アドミル」なら、リスク箇所を瞬時に判定し、ガイドラインに沿った代替表現の方向性をご提案します。

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商材別に見る「どこまで言える?」早見表

薬機法対策で最初に確認すべきなのは、「その商品がどの区分に該当するか」です。商材区分を誤ると、使える表現の範囲も大きく変わります。

商材 比較的使いやすい方向性 注意が必要な方向性
一般化粧品 うるおいを与える、肌を整える、肌荒れを防ぐ、乾燥を防ぐなど、56効能の範囲内の表現 シミを消す、肌が再生する、ニキビを治す、若返るなど、医薬品的・治療的に見える表現
医薬部外品 承認された効能効果の範囲内での表現 承認範囲を超える効果、過度な即効性、治療効果を保証する表現
健康食品・サプリ 栄養補給、健康維持をサポートする趣旨の表現 病気が治る、血糖値を下げる、脂肪を燃焼する、痛みが消えるなどの医薬品的効能効果
機能性表示食品 届出表示に即した範囲で、機能性関与成分と表示内容を正確に伝える表現 届出内容を超える効果、国が効果を保証したように見える表現、過度な体験談

薬機法で注意が必要な広告表現例と言い換え方向性

以下は、一般的なリスク整理です。実際に使えるかどうかは、商品区分、承認・届出内容、根拠資料、表示全体、画像、注記、前後文脈によって変わります。

注意が必要な表現例 主なリスク 比較的安全寄りの言い換え方向性
シミが消える 一般化粧品では治療的・改善保証のように見える可能性があります。 日やけによるシミ、ソバカスを防ぐ。肌にうるおいを与える。
ニキビを治す 治療効果の標ぼうと受け取られる可能性があります。 洗浄によりニキビを防ぐ。肌を清浄にする。
血糖値を下げる 健康食品では医薬品的効能効果と判断されるリスクがあります。 健康的な食生活をサポートする。栄養補給をサポートする。
医師も効果を認めた 薬機法第66条2項の「医師等の保証」と誤解されるおそれがあります。 専門家監修の範囲、監修内容、対象情報を明確にし、効果保証に見えない表現へ調整します。
最高峰の効果 最大級表現や効能効果の保証表現として問題となる可能性があります。 商品特徴を具体的・客観的に説明し、根拠資料で確認できる範囲に限定します。
使用前後の写真で劇的変化を示す 薬機法だけでなく、景品表示法上の優良誤認リスクもあります。 撮影条件、個人差、使用条件、根拠資料、表示全体を確認し、効果保証に見えない構成にします。

薬機法だけでなく景品表示法・ステマ規制にも注意

広告審査では、薬機法だけを見れば十分というわけではありません。化粧品、健康食品、機能性表示食品、D2C商材の広告では、景品表示法、健康増進法、ステマ規制、特定商取引法などもあわせて確認する必要があります。

関連法規 主な注意点 広告で確認すべき例
景品表示法 実際より著しく優良・有利に見せる表示に注意が必要です。 No.1、満足度98%、最高峰、ランキング、割引表示、口コミ、Before/Afterなど
健康増進法 健康食品の虚偽誇大表示に注意が必要です。 健康保持増進効果が実証されていないにもかかわらず、効果を期待させる表示など
ステマ規制 広告であるにもかかわらず、広告であることが分からない表示に注意が必要です。 インフルエンサー投稿、レビュー投稿、アフィリエイト記事、SNS投稿など
特定商取引法 通販広告や定期購入条件の表示に注意が必要です。 定期購入、初回価格、解約条件、総額表示、申込ボタン周辺の表示など

No.1表示・高評価%表示で確認すべきポイント

「No.1」「満足度98%」「医師が推奨」などの表示は、薬機法だけでなく景品表示法上の優良誤認リスクも検討が必要です。特に、比較対象、調査対象者、質問文、集計方法、調査時点、調査主体、注記の分かりやすさを確認します。

  • 比較対象は明確か
  • 調査対象者は商品利用者なのか、一般モニターなのか
  • 質問文が誘導的ではないか
  • 集計方法、調査期間、調査機関を表示しているか
  • 効能効果を保証する表示に見えないか
参考資料(出典):
消費者庁「令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります。」:ステマ規制の概要と対象表示の根拠です。
消費者庁「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」:健康食品表示の虚偽誇大表示等の考え方の根拠です。

薬機法に違反した場合のリスク

薬機法違反のリスクは、単に広告を修正すれば終わるとは限りません。実務上は、まず行政指導や措置命令の可能性を確認し、表示内容や販売状況によって課徴金、悪質な場合には刑事罰の対象となる可能性もあります。

リスク 概要
措置命令 違反広告の中止、再発防止、公示などを命じられる可能性があります。
課徴金納付命令 第66条第1項の違反行為について、対象期間の取引額に4.5%を乗じた額が課徴金となる場合があります。
刑事罰 第66条第1項・第3項、第68条違反などについて、悪質な場合には懲役・罰金等の対象となる可能性があります。
事業上の影響 広告停止、LP修正、媒体審査落ち、ブランド毀損、代理店・取引先対応などの負担が発生する可能性があります。

課徴金の注意点

薬機法の課徴金は、違反表現だけでなく、対象商品、対象期間、取引額、表示の中止後の取引状況などにより個別に判断されます。金額や対象範囲は必ず個別確認が必要です。

広告公開前の薬機法チェックリスト

薬機法の確認では、最初から細かい文言だけを見るのではなく、商材区分、根拠資料、表示全体、媒体ごとの見え方を順番に確認すると抜け漏れを減らせます。

チェック項目 確認内容
1. 商材区分 一般化粧品、医薬部外品、健康食品、機能性表示食品、医療機器などの区分を確認したか
2. 承認・届出範囲 医薬部外品や機能性表示食品では、承認・届出内容を超えていないか
3. 効能効果表現 治る、改善する、消える、再生する、脂肪燃焼など、医薬品的に見える表現がないか
4. 医師等の保証 医師、専門家、学会、研究機関が効能効果を保証しているように見えないか
5. 画像・Before/After 写真、グラフ、イラスト、体験談が効果保証や過度な変化に見えないか
6. 景表法表示 No.1、最高峰、満足度、高評価、割引、ランキングに根拠と注記があるか
7. ステマ規制 広告・PRであることが一般消費者に分かる表示になっているか
8. 媒体別確認 LP、バナー、SNS、記事LP、ECページ、動画広告で表示全体を確認したか

関連して読みたい記事

薬機法のNGワードや景品表示法の詳細は、以下の記事もあわせて確認すると、広告審査の実務に落とし込みやすくなります。

よくある質問

Q1. 薬機法とは何ですか?

薬機法とは、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器、再生医療等製品などの品質・有効性・安全性を確保するための法律です。広告では、虚偽・誇大な効能効果表示や、承認範囲を超える表現に注意が必要です。

Q2. 薬機法の読み方は何ですか?

薬機法の読み方は「やっきほう」です。正式名称は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」です。

Q3. 薬事法と薬機法は違いますか?

薬機法は、旧薬事法が改正され、現在の正式名称となった法律です。実務上は「旧薬事法」と説明されることもありますが、現在は薬機法または医薬品医療機器等法と呼ぶのが一般的です。

Q4. 健康食品やサプリも薬機法の対象ですか?

健康食品やサプリそのものが直ちに薬機法上の医薬品等になるわけではありません。ただし、医薬品的な効能効果を標ぼうすると、未承認医薬品の広告と判断されるリスクがあります。景品表示法や健康増進法もあわせて確認が必要です。

Q5. 化粧品広告ではどこまで言えますか?

一般化粧品では、原則として厚生労働省が示す化粧品の効能効果56項目の範囲内で表現します。医薬部外品の場合は、個別承認された効能効果の範囲内で表現する必要があります。

Q6. 「医師監修」は使えますか?

「医師監修」という表現は、監修対象や監修範囲が明確であれば直ちに問題になるとは限りません。ただし、医師が効能効果を保証しているように見える表現は、薬機法第66条2項の観点から注意が必要です。

Q7. 薬機法に違反するとどうなりますか?

違反内容により、広告の中止や再発防止などを求める措置命令、課徴金納付命令、悪質な場合の刑事罰などの対象となる可能性があります。実際の判断は表示内容、販売状況、対象商品などにより個別に確認する必要があります。

薬機法チェックの属人化を減らしたい方へ

薬機法・景表法・ステマ規制をまたぐ広告確認は、担当者の経験に依存しやすく、制作スピードとの両立が課題になりがちです。
AIによる広告法務チェックツール「アドミル」なら、リスク箇所を瞬時に判定し、ガイドラインに沿った代替表現の方向性をご提案します。

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まとめ:薬機法とは「広告で言える範囲」を決める重要な法律です

薬機法とは、医薬品や化粧品などの品質・有効性・安全性を確保し、消費者を誤認から守るための法律です。広告担当者にとっては、「その商品でどこまで効能効果を言えるのか」を判断するための基本ルールといえます。

特に、一般化粧品は56効能の範囲内、医薬部外品は個別承認の範囲内、健康食品・サプリは医薬品的効能効果の標ぼう不可、機能性表示食品は届出内容に即した表示が前提です。さらに、No.1表示、体験談、Before/After、ステマ規制、定期購入表示などは、景品表示法や特定商取引法の観点もあわせて確認する必要があります。

薬機法チェックでは、文言単体で判断せず、商材区分、根拠資料、表示全体、画像、注記、前後文脈を含めて確認することが重要です。

免責事項:
本記事は、広告表現の一般的な考え方を整理したものであり、個別の広告表現について適法性を保証するものではありません。実際の適否は、商材区分、承認・届出内容、根拠資料、表示全体、画像、注記、前後文脈、最新の法令・通知・行政運用により個別に判断されます。必要に応じて、弁護士、行政書士、薬事広告に詳しい専門家、所管行政機関等に確認してください。

参照した公的機関・法令一覧: