薬機法施行規則で広告はどこまで言える?商材別チェックリスト付き

最終更新日:2026年6月26日

薬機法施行規則(やっきほうしこうきそく)は、医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器などに関する具体的な手続きや基準を定める厚生労働省令です。

広告担当者が「薬機法 施行規則」と検索する背景には、単に条文を確認したいだけでなく、「薬機法本体と施行規則は何が違うのか」「広告表現ではどこを見ればよいのか」「化粧品や健康食品のLPで何がリスクになるのか」を整理したい意図があります。

結論からいうと、広告表現の可否は薬機法施行規則だけで判断するものではありません。薬機法第66条・第67条・第68条、医薬品等適正広告基準、商品ごとの承認・届出・効能効果の範囲、景品表示法、健康増進法、ステマ規制などをあわせて確認する必要があります。

読み方も確認

  • 薬機法 読み方:やっきほう
  • 施行規則 読み方:しこうきそく
  • 薬機法施行規則 読み方:やっきほうしこうきそく
  • 効能効果 読み方:こうのうこうか
  • 標ぼう 読み方:ひょうぼう

この記事で分かること

  • 薬機法施行規則の意味と読み方
  • 薬機法・施行令・施行規則の違い
  • 広告担当者が見るべき薬機法第66条・第67条・第68条
  • 化粧品・医薬部外品・健康食品・機能性表示食品の広告チェックポイント
  • LP、SNS、記事LP、アフィリエイト広告で確認すべき実務フロー

薬機法施行規則とは?薬機法・施行令との違い

薬機法施行規則の正式名称は、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則」です。薬機法本体で定められた制度を、実務上どのように運用するかを具体化する省令です。

広告チェックでは、薬機法本体・施行令・施行規則を分けて理解することが重要です。薬機法本体は広告規制の基本的な禁止事項を定め、施行令は法律から委任された事項を補足し、施行規則は販売方法、申請、届出、対象指定などの具体的な運用ルールを定めます。

区分 位置づけ 広告担当者の見方
薬機法 国会が制定する法律。広告規制の基本条文である第66条、第67条、第68条などを含みます。 虚偽・誇大広告、医師等の保証誤認、承認前広告などの基本リスクを確認します。
薬機法施行令 内閣が定める政令。法律から委任された事項を補足します。 第67条に関係する特殊疾病など、法律で委任された範囲を確認します。
薬機法施行規則 厚生労働省令。申請、届出、販売、管理、情報提供などの具体的な手続きや基準を定めます。 広告制限の対象指定、販売方法、情報提供、商品分類の前提条件を確認します。
参考資料(出典):
薬機法施行規則の正式名称・条文確認の根拠です。
e-Gov法令検索「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則」

広告チェックでは薬機法施行規則だけを読んでも不十分

薬機法施行規則は重要ですが、LP、バナー、SNS広告、記事LP、アフィリエイト広告の表現チェックでは、施行規則だけを見ても十分ではありません。広告表現の中心になるのは、薬機法第66条、第67条、第68条、医薬品等適正広告基準です。

また、医薬品等の広告に該当するかは、一般に「顧客を誘引する意図が明確であること」「特定医薬品等の商品名が明らかにされていること」「一般人が認知できる状態であること」の3要件を満たすかどうかで判断されます。広告出稿をしていない記事、SNS投稿、ランキングページであっても、表示全体として販売促進の意図が認められる場合は注意が必要です。

確認資料 主な確認ポイント 実務での使い方
薬機法第66条 虚偽・誇大広告、明示・暗示、医師等の保証誤認 「治る」「必ず効く」「医師が認めた」などの表現を確認します。
薬機法第67条 特殊疾病用医薬品等の広告制限 がん、肉腫、白血病などに関する一般向け広告の制限を確認します。
薬機法第68条 承認前の医薬品・医療機器等の広告禁止 未承認商品や、承認範囲外の効能効果を訴求していないか確認します。
薬機法施行規則 販売、申請、情報提供、特殊疾病用医薬品等の指定など 広告制限の前提となる商品分類や対象指定を確認します。
医薬品等適正広告基準 効能効果、安全性、最大級表現、医薬関係者の推せんなど 実際の広告表現をチェックする際の基準として参照します。
参考資料(出典):
薬機法第66条〜第68条、施行規則第228条の10、課徴金制度、広告該当性の確認根拠です。
厚生労働省「医薬品等の広告規制について」
厚生労働省「薬事法における医薬品等の広告の該当性について」

薬機法施行規則と関係が深い広告規制の重要条文

薬機法第66条:虚偽・誇大広告の禁止

薬機法第66条は、広告実務で最も重要な条文の一つです。対象は「何人も」であり、メーカーだけでなく、広告代理店、制作会社、アフィリエイター、インフルエンサーなども対象となり得ます。

第66条では、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器、再生医療等製品の名称、製造方法、効能、効果、性能について、明示的であるか暗示的であるかを問わず、虚偽または誇大な記事を広告・記述・流布してはならないとされています。

また、第66条第2項では、医師その他の者が効能効果や性能を保証したものと誤解されるおそれのある広告も問題になり得ます。そのため、「医師監修」「専門家が認めた」「クリニックでも推奨」などの表現は、監修範囲、根拠資料、肩書き、画像、注記、前後文脈を含めて慎重に確認する必要があります。

薬機法第67条:特殊疾病用医薬品等の広告制限

薬機法第67条は、政令で定める特殊疾病に使用される医薬品または再生医療等製品について、一般人向け広告の方法を制限できるとする条文です。薬機法施行令第64条では、特殊疾病として、がん、肉腫、白血病が定められています。

さらに、薬機法施行規則第228条の10では、第67条第1項により指定する医薬品または再生医療等製品を別表で定めること、また特殊疾病に関する広告について、医薬関係者向けの場合などを除き行ってはならないことが示されています。

薬機法第68条:承認前広告の禁止

薬機法第68条は、まだ承認または認証を受けていない医薬品、医療機器、再生医療等製品について、名称、製造方法、効能、効果、性能に関する広告を禁止する条文です。

未承認商品そのものだけでなく、承認・認証・届出の範囲を超えた効能効果や性能を訴求する場合もリスクになり得ます。特に、海外製品、個人輸入代行、医療機器的な機能を想起させる雑貨、アプリ・デバイス系商材では、商品分類と表示内容を慎重に確認することが重要です。

違反時のリスクは措置命令・課徴金・刑事罰の順で整理する

薬機法違反のリスクを説明する際は、過度に不安をあおるのではなく、行政上の措置と刑事罰を分けて整理することが大切です。

リスク区分 概要 実務上の注意点
措置命令等 違反広告の中止、再発防止、公示などを命じられる可能性があります。 LP、記事LP、SNS投稿、広告バナー、アフィリエイト記事の修正・停止対応が必要になる場合があります。
課徴金納付命令 第66条第1項違反について、対象期間中の対価合計額に4.5%を乗じた額が基本となります。 計算額が225万円未満の場合は課徴金納付命令の対象外とされています。
刑事罰 第66条第1項・第68条違反などでは、悪質な場合に刑事罰の対象となり得ます。 広告主だけでなく、関与者の役割や表示内容によって個別判断が必要です。

商材別|薬機法施行規則と広告表現のチェック早見表

薬機法に関わる広告表現は、商材区分によって判断軸が変わります。文言単体で「この表現なら問題ない」と断定するのではなく、商品分類、承認・届出内容、根拠資料、広告全体の印象、画像、注記、前後文脈を総合的に確認することが重要です。

商材区分 確認すべき範囲 広告表現の注意点
一般化粧品 化粧品の56の効能効果の範囲 「シミが消える」「肌細胞を再生」など、医薬品的な効能効果を想起させる表現は避ける必要があります。
医薬部外品 個別承認を受けた効能効果の範囲 「薬用」であっても、承認範囲を超える訴求はリスクになります。
健康食品・サプリメント 食品としての表示範囲 疾病の治療・予防、身体機能の治療的改善を標ぼうすると、医薬品的効能効果の標ぼうとして問題になり得ます。
機能性表示食品 消費者庁に届け出た表示内容 届出表示に即した訴求が前提です。消費者庁長官による個別審査を経たものではない点にも注意が必要です。
医薬品・医療機器 承認・認証・届出内容、使用目的、効能効果、性能 承認前広告、承認範囲外の効能効果、一般人向け広告の制限を確認します。
参考資料(出典):
化粧品の56効能、健康食品の医薬品的効能効果、機能性表示食品制度の確認根拠です。
厚生労働省「化粧品の効能の範囲の改正について」
厚生労働省「いわゆる『健康食品』のホームページ」
消費者庁「機能性表示食品の届出等に関するガイドライン」

薬機法施行規則だけでなく、広告表現全体の確認に時間がかかっていませんか?

商材区分、効能効果、注記、画像、前後文脈まで確認すると、LPやSNS広告のチェック工数は大きくなりがちです。
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広告で注意したいNG表現と安全寄りの言い換え方向性

以下は一般的な言い換えの方向性です。実際の適否は、商材区分、根拠資料、承認・届出内容、画像、注記、前後の文脈、広告全体の印象によって変わります。

避けたい表現例 主なリスク 比較的安全寄りの方向性
シミが消える 医薬品的効能効果、化粧品の効能範囲逸脱のリスク 肌にうるおいを与える、乾燥によるくすみ印象をケアする、など商材区分に応じて調整します。
飲むだけで痩せる 医薬品的効能効果、優良誤認、健康増進法上の虚偽・誇大表示のリスク 健康的な生活習慣をサポート、栄養補給をサポート、など根拠と制度に合わせます。
医師が効果を保証 薬機法第66条第2項、医薬関係者等の推せんリスク 監修範囲を明確にし、効能効果を保証する印象を避けます。医師等の権威付けには特に注意が必要です。
最高峰・最強・日本初 最大級表現、優良誤認、不実証広告規制のリスク 比較対象、調査対象者、質問文、集計方法、調査時点、根拠資料を確認できる範囲に調整します。

薬機法だけでなく景品表示法・健康増進法・ステマ規制も確認する

薬機法上の表現を調整しても、景品表示法や健康増進法の観点で問題になる場合があります。特に、No.1表示、高評価率、体験談、Before/After、比較広告、ランキング表示、インフルエンサー投稿は注意が必要です。

No.1表示や高評価率を使う場合は、比較対象、調査対象者、質問文、集計方法、調査時点、調査主体、広告内での注記の見え方を確認します。表示の裏付けとなる合理的な根拠を示せない場合、不実証広告規制の対象となる可能性があります。

また、ステルスマーケティング規制では、広告であるにもかかわらず広告であることが分かりにくい表示が問題になります。インフルエンサー投稿やレビュー依頼、アフィリエイト記事では、「広告」「PR」などの表示が一般消費者に分かりやすい形で示されているかを確認しましょう。

参考資料(出典):
優良誤認、不実証広告規制、ステルスマーケティング規制、健康増進法上の誇大表示の確認根拠です。
消費者庁「不実証広告規制」
消費者庁「令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります。」
消費者庁「健康増進法(誇大表示の禁止)」

薬機法施行規則を広告チェックで使う手順

  1. 商材区分を確定する:化粧品、医薬部外品、医薬品、医療機器、健康食品、機能性表示食品のどれに該当するかを確認します。
  2. 広告該当性を確認する:顧客誘引性、商品名の明示、一般人が認知できる状態の3要件を確認します。
  3. 承認・届出・効能効果の範囲を確認する:医薬部外品や医薬品は個別承認、化粧品は56効能、機能性表示食品は届出表示を確認します。
  4. 薬機法第66条・第67条・第68条を確認する:虚偽・誇大、医師等の保証誤認、特殊疾病、承認前広告のリスクを見ます。
  5. 薬機法施行規則を確認する:第67条に基づく指定品目や広告方法の制限など、下位法令に委任された具体ルールを確認します。
  6. 医薬品等適正広告基準を確認する:最大級表現、安全性保証、効能効果の範囲、医薬関係者等の推せんを確認します。
  7. 景表法・健康増進法・ステマ規制を確認する:No.1表示、体験談、比較広告、SNS投稿、記事LPのPR表示まで確認します。

公開前チェックリスト

チェック項目 確認内容
商材区分 化粧品、医薬部外品、健康食品、機能性表示食品などの分類が明確か。
広告該当性 販売促進の意図、商品名、一般人が認知できる状態の3要件を満たすか。
効能効果 承認・届出・56効能の範囲を超えていないか。
断定表現 「必ず」「絶対」「治る」「消える」「保証」などの表現が残っていないか。
専門家表現 医師・薬剤師・専門家の関与が効能効果の保証に見えないか。
画像・体験談 Before/After、レビュー、ランキング、グラフが誤認を招かないか。
PR表示 記事LP、SNS、レビュー投稿で広告であることが分かる表示になっているか。

よくある質問

薬機法施行規則の読み方は何ですか?

薬機法施行規則は「やっきほうしこうきそく」と読みます。薬機法は「やっきほう」、施行規則は「しこうきそく」です。

薬機法施行規則を見れば広告表現の可否は判断できますか?

薬機法施行規則だけでは十分ではありません。広告表現の可否は、薬機法第66条・第67条・第68条、医薬品等適正広告基準、商材ごとの承認・届出内容、景品表示法、健康増進法、ステマ規制などを総合的に確認する必要があります。

薬機法第66条の「何人も」とは誰が対象ですか?

メーカーだけでなく、広告代理店、制作会社、アフィリエイター、インフルエンサーなど、広告に関与する者も対象となり得ます。広告主だけでなく、制作・運用に関わる関係者も確認体制を整えることが重要です。

薬機法施行規則第228条の10は広告実務で重要ですか?

第228条の10は、薬機法第67条に基づく特殊疾病用医薬品等の広告制限と関係します。一般的な化粧品広告や健康食品広告だけを確認する場合に常に中心となる条文ではありませんが、薬機法・施行令・施行規則の関係を理解するうえで重要です。

健康食品やサプリメントも薬機法の対象になりますか?

健康食品やサプリメントは食品ですが、医薬品的効能効果を標ぼうすると、薬機法上の未承認医薬品広告等の問題になる可能性があります。疾病の治療・予防や身体機能の治療的改善を思わせる表現は慎重に確認する必要があります。

LP・SNS広告・記事LPの薬機法チェックを効率化したい方へ

薬機法施行規則、薬機法第66条、景品表示法、ステマ規制まで人力で確認すると、表現修正の往復が増えやすくなります。
AIによる広告法務チェックツール「アドミル」なら、リスク箇所を瞬時に判定し、ガイドラインに沿った代替表現の方向性をご提案します。

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まとめ

薬機法施行規則は、薬機法の実務運用を支える重要な省令です。ただし、広告担当者がLPやSNS広告、記事LPを確認する場合は、施行規則だけでなく、薬機法第66条・第67条・第68条、医薬品等適正広告基準、商材ごとの承認・届出内容、景品表示法、健康増進法、ステマ規制をあわせて確認する必要があります。

特に、化粧品、医薬部外品、健康食品、機能性表示食品では、同じような表現でも商材区分によってリスクが変わります。広告表現は文言単体ではなく、表示全体、画像、注記、前後文脈、根拠資料を含めて確認しましょう。

免責事項:本記事は、薬機法施行規則および関連する広告規制の一般的な考え方を整理したものであり、個別案件における適法性を保証するものではありません。実際の広告審査では、商材区分、承認・届出内容、根拠資料、表示全体、画像、注記、媒体、運用方法を踏まえ、必要に応じて専門家または所管行政機関へ確認してください。

参照した公的機関・法令一覧: