薬機法の正式名称とは?薬事法との違いも解説

最終更新日:2026年5月21日

「薬機法の正式名称を知りたい」「薬機法の読み方が分からない」「薬事法や医薬品医療機器等法とは何が違うのか分からない」と感じている方は多いのではないでしょうか。

薬機法の正式名称は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」です。
薬機法の読み方は「やっきほう」です。旧名称は薬事法(やくじほう)で、現在は「薬機法」または「医薬品医療機器等法」と呼ばれることがあります。

この記事では、薬機法(やっきほう)の正式名称、薬事法(やくじほう)との違い、広告実務で注意すべき薬機法第66条、化粧品・医薬部外品・健康食品・機能性表示食品ごとの確認ポイントまで、広告担当者向けに分かりやすく整理します。

項目 内容
正式名称 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律
よく使われる略称 薬機法、医薬品医療機器等法
旧名称 薬事法
主な対象 医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器、再生医療等製品など
広告実務で重要な条文 第66条、第67条、第68条など

薬機法の正式名称は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」

薬機法の正式名称は、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」です。

この法律は、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器、再生医療等製品などについて、品質・有効性・安全性の確保や、保健衛生上の危害の発生・拡大防止などを目的としています。

名称が長いため、広告・薬事・EC・D2C・化粧品業界などの実務では「薬機法」と呼ばれることが多くあります。ただし、契約書、社内規程、行政資料、研修資料などで正確性が求められる場面では、初出で正式名称を記載し、その後に略称を使うのが分かりやすいです。

記載例:
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下「薬機法」といいます。)

薬機法・医薬品医療機器等法・薬事法の違い

「薬機法」「医薬品医療機器等法」「薬事法」は、文脈によって混同されやすい言葉です。実務上は、次のように整理すると分かりやすくなります。

呼び方 意味 実務上の注意点
薬機法 現在広く使われる略称・通称 広告実務や社内会話では最も使われやすい表現です。
医薬品医療機器等法 正式名称を短くした呼び方 厚生労働省の資料などでも使われることがあります。
薬事法 旧名称 現在の法令名としては古い表現です。記事や資料では「旧薬事法」と補足すると誤解を避けやすくなります。

旧薬事法は、平成25年法律第84号による改正を経て、現在の名称である「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」とされました。一般向け記事では「薬機法(旧薬事法)」と表記すると、読者に伝わりやすくなります。

薬機法の対象になるもの

薬機法は、医薬品だけを対象にした法律ではありません。医薬部外品、化粧品、医療機器、再生医療等製品なども対象になります。

区分 主な例 広告表現での注意点
医薬品 処方薬、一般用医薬品など 承認された効能効果・用法用量の範囲を超える表現に注意が必要です。
医薬部外品 薬用化粧品、育毛剤、薬用歯みがきなど 個別に承認された効能効果の範囲内で表示することが前提です。
化粧品 スキンケア、メイク用品、シャンプーなど 一般化粧品では、原則として認められた効能効果の範囲内で表現を設計します。
医療機器 コンタクトレンズ、家庭用医療機器、検査機器など 承認・認証・届出の範囲や管理区分に応じた確認が必要です。
再生医療等製品 細胞加工製品、遺伝子治療用製品など 専門性が高く、承認内容や表示範囲の確認が特に重要です。
健康食品・サプリメント 一般食品、栄養補助食品など 薬機法上の医薬品等ではなくても、医薬品的な効能効果を標ぼうすると問題となる場合があります。
機能性表示食品 届出された機能性を表示する食品 消費者庁に届け出た表示内容や科学的根拠に即した表現が前提です。

広告表現の適否は、文言単体だけで判断できるものではありません。商材区分、根拠資料、承認・届出内容、LP全体の構成、画像、注記、体験談、Before/After、SNS投稿の前後文脈などを含めて総合的に確認する必要があります。

広告実務で特に重要な薬機法第66条

薬機法の広告規制で特に重要なのが、第66条の「誇大広告等」です。

第66条では、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器、再生医療等製品の名称、製造方法、効能、効果、性能について、明示的・暗示的を問わず、虚偽または誇大な記事を広告、記述、流布してはならないとされています。

ここで重要なのは、条文上の対象が「何人も」とされている点です。メーカーや販売会社だけでなく、広告代理店、制作会社、アフィリエイター、インフルエンサー、メディア運営者なども、表示への関与状況によって対象となり得ます。

医師・専門家の推薦表現にも注意が必要

第66条第2項では、医薬品等の効能、効果、性能について、医師その他の者が保証したものと誤解されるおそれのある記事も、第66条第1項に該当するものとされています。

たとえば、次のような表現は、商材区分や表示全体によって慎重な確認が必要です。

  • 医師が認めた効果
  • 専門家が効果を保証
  • クリニック推奨で安心
  • 薬剤師が選ぶ、必ず実感できる商品

専門家コメントを掲載する場合でも、効能効果の保証と受け取られないか、根拠資料と対応しているか、広告全体で過度な期待を与えていないかを確認することが重要です。

違反時は措置命令・課徴金納付命令・刑事罰のリスクがある

薬機法上の広告規制に違反した場合、まず行政による措置命令が問題となり得ます。また、第66条第1項の虚偽・誇大広告に該当する場合には、課徴金納付命令の対象となることがあります。悪質な場合には刑事罰が問題となる可能性もあります。

リスクを過度に煽る必要はありませんが、広告実務では「公開前に確認する」「根拠資料を保管する」「代替表現を検討する」という運用が重要です。

薬機法の正式名称だけでなく、広告表現の確認まで効率化したい方へ

薬機法は名称を覚えるだけでなく、商材区分ごとに使える表現・避けたい表現を確認することが重要です。LP、記事LP、バナー、SNS投稿のチェック工数に課題がある場合は、AIを活用した一次チェックも有効です。
AIによる広告法務チェックツール「アドミル」なら、リスク箇所を瞬時に判定し、ガイドラインに沿った代替表現の方向性をご提案します。

アドミルの詳細を見る

商材別に見る薬機法表現の注意点

一般化粧品は56の効能効果の範囲内で表現する

一般化粧品では、医薬品のように疾病の治療・予防をうたうことはできません。広告表現は、原則として化粧品に認められた効能効果の範囲内で設計します。

たとえば、「肌を整える」「皮膚にうるおいを与える」「日やけによるシミ、ソバカスを防ぐ」などは、定められた範囲内で検討される表現です。一方で、「シミを消す」「ニキビを治す」「細胞を再生する」のような医薬品的な印象を与える表現は注意が必要です。

医薬部外品は個別承認の範囲内で表現する

医薬部外品は、一般化粧品よりも一定の効能効果を表示できる場合があります。ただし、自由に効果をうたえるわけではなく、個別に承認された効能効果の範囲内で表現することが前提です。

同じ「薬用化粧品」でも、承認内容によって表示できる範囲は異なります。商品ごとの承認書、販売名、効能効果、成分、用法用量を確認したうえで、広告表現を設計する必要があります。

健康食品・サプリメントは医薬品的効能効果の標ぼうに注意する

健康食品やサプリメントは、薬機法上の医薬品等ではない場合でも、広告で医薬品的な効能効果をうたうと、医薬品とみなされるリスクがあります。

たとえば、「糖尿病を改善する」「脂肪肝を治す」「血圧を下げる」「がんを予防する」といった疾病の治療・予防を想起させる表現は、特に慎重な確認が必要です。

機能性表示食品は届出内容に即した表示が前提

機能性表示食品は、事業者の責任で安全性・機能性に関する科学的根拠などを消費者庁へ届け出たうえで、機能性を表示できる制度です。

ただし、届出表示を超えた表現や、疾病の治療・予防を想起させる表現、根拠と対応しない過度な訴求には注意が必要です。広告では、届出内容、パッケージ表示、LP、バナー、SNS投稿、体験談が一体として見られる点を踏まえて確認します。

薬機法だけでなく景品表示法にも注意する

美容・健康領域の広告では、薬機法だけでなく景品表示法の確認も欠かせません。薬機法上の効能効果表現に見えなくても、表示全体として実際より著しく優良または有利であると誤認される場合には、景品表示法上の問題となる可能性があります。

表現例 主なリスク 確認ポイント
No.1、満足度No.1 優良誤認・有利誤認 比較対象、調査対象者、質問文、集計方法、調査時点、表示内容との対応を確認します。
日本初、業界初 客観的根拠の不足 調査範囲、調査時点、同種商品との比較、定義の明確性を確認します。
最高峰、圧倒的、最強 最上級表示による誤認 何を基準に最高・最強といえるのか、客観的根拠と対応しているか確認します。
高評価率、リピート率 数値表示の根拠不足 母数、対象期間、調査方法、除外条件、回答者属性を確認します。
体験談、口コミ 例外的な結果の一般化 個人の感想の範囲を超えて効果保証のように見えないか確認します。
Before/After 効果の過度な印象付け 撮影条件、加工、注記、代表性、商材区分との整合性を確認します。

特にNo.1表示では、調査会社からレポートを受け取っているだけでは十分とは限りません。比較対象が適切か、調査対象者が実際の利用者なのか、質問文が誘導的ではないか、表示内容と調査結果が一致しているかを確認する必要があります。

また、インフルエンサー投稿や口コミ風記事では、ステルスマーケティング規制にも注意が必要です。広告であるにもかかわらず広告であることが分からない表示は、景品表示法上の問題となる可能性があります。

薬機法の正式名称を社内資料や記事で書くときの実務ルール

薬機法の正式名称は長いため、社内資料や記事では略称を使いたくなります。実務では、次のような書き方が分かりやすく、誤解も避けやすいです。

使用場面 おすすめの書き方
記事の冒頭 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下「薬機法」)
社内研修資料 初出で正式名称を示し、2回目以降は「薬機法」と表記
契約書・規程 正式名称を記載し、必要に応じて定義条項で略称を設定
広告チェックシート 「薬機法」と記載しつつ、対象条文や確認項目を明記
一般向けコンテンツ 「薬機法(旧薬事法)」のように補足すると理解されやすい

広告公開前に確認したい薬機法チェックリスト

薬機法の正式名称を理解したうえで、実務では広告表現の確認が重要になります。公開前には、最低限次の項目を確認しましょう。

確認項目 チェック内容
商材区分 医薬品、医薬部外品、化粧品、健康食品、機能性表示食品、雑貨などの区分を確認したか。
効能効果の範囲 承認内容、届出内容、化粧品の効能範囲などを超えていないか。
第66条リスク 虚偽・誇大、暗示的な効能効果、医師等の保証に見える表現がないか。
未承認広告 未承認の医薬品・医療機器等について効能効果をうたっていないか。
景表法リスク No.1、最高、満足度、体験談、Before/Afterに合理的根拠があるか。
表示全体 テキスト、画像、注記、口コミ、動画、LP全体で過度な印象を与えていないか。
根拠資料 調査資料、試験データ、承認書、届出情報などを保管しているか。

よくある質問

Q. 薬機法の正式名称は何ですか?

A. 「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」です。実務では「薬機法」または「医薬品医療機器等法」と略されることがあります。

Q. 薬機法と薬事法は違う法律ですか?

A. 薬事法は旧名称であり、現在の名称が薬機法です。記事や資料では「薬機法(旧薬事法)」と書くと、読者に伝わりやすくなります。

Q. 「医薬品医療機器等法」と「薬機法」は同じ意味ですか?

A. 厳密には、どちらも正式名称を短く表す呼び方です。正式名称を初出で示したうえで、以後は「薬機法」と表記する方法が一般的です。

Q. 健康食品やサプリメントも薬機法の対象ですか?

A. 健康食品やサプリメントそのものは、通常は食品として扱われます。ただし、広告で疾病の治療・予防や身体機能への医薬品的な作用をうたうと、薬機法上問題となる場合があります。

Q. 広告代理店やアフィリエイターも薬機法に注意すべきですか?

A. はい。薬機法第66条は「何人も」と定めているため、メーカーや販売者だけでなく、広告代理店、制作会社、アフィリエイター、インフルエンサーなども、表示への関与状況によって対象となり得ます。

Q. 医師や専門家の推薦コメントを入れれば信頼性は高まりますか?

A. 信頼性の補足になる場合はありますが、効能効果を保証したように見える表現は薬機法第66条第2項との関係で注意が必要です。専門家コメントは、商材区分、根拠資料、表示全体との整合性を確認して使うことが重要です。

まとめ:薬機法の正式名称を理解したうえで広告表現まで確認する

薬機法の正式名称は、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」です。

ただし、広告実務で重要なのは、名称を知ることだけではありません。化粧品、医薬部外品、健康食品、機能性表示食品など、商材区分ごとに使える表現は異なります。また、薬機法第66条の「何人も」という対象範囲や、医師等の保証と誤解される表現、景品表示法上のNo.1表示・体験談・Before/Afterリスクもあわせて確認する必要があります。

薬機法対応は、文言単体の言い換えだけで完結するものではありません。根拠資料、承認・届出内容、画像、注記、SNS投稿、LP全体の文脈まで含めて、公開前に確認する運用を整えましょう。

薬機法・景表法の広告チェックを効率化したい方へ

化粧品、健康食品、医薬部外品の広告では、薬機法の正式名称を理解するだけでなく、実際のLPやバナー、SNS投稿に潜むリスクを見落とさない体制づくりが大切です。アドミルは、制作現場と法務確認の橋渡しを支援します。
AIによる広告法務チェックツール「アドミル」なら、リスク箇所を瞬時に判定し、ガイドラインに沿った代替表現の方向性をご提案します。

アドミルの詳細を見る

免責事項:

本記事は、薬機法、景品表示法その他関連法令に関する一般的な情報提供を目的としたものです。個別の広告表現の適否は、商材区分、承認・届出内容、根拠資料、表示全体、画像、注記、媒体、前後文脈などにより異なります。具体的な判断が必要な場合は、最新の公的資料を確認し、必要に応じて専門家へ相談してください。