最終更新日:2026年4月22日
「景表法 ガイドライン」と検索した担当者が本当に知りたいのは、景品表示法の概要そのものではなく、どの公的資料を、どの実務場面で、どう使い分ければよいかです。
そこで本記事では、消費者庁の一次情報をベースに、景表法対応で実務上よく使うガイドラインを場面別に整理し、No.1表示、二重価格表示、ステマ規制、EC表示、景品キャンペーンまで一気に確認できる形でまとめます。
結論からいうと、まず起点にすべきは消費者庁の「景品表示法関係ガイドライン等」です。ただし、一覧ページを眺めるだけでは足りません。広告表現の論点ごとに、表示規制、景品規制、価格表示、No.1表示、ステマ、EC表示に分けて読み分けることが重要です。

景表法ガイドラインの要点【早見表】
| 知りたいこと | まず見る資料 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| 景表法全体の整理 | 景品表示法 / 景品表示法関係ガイドライン等 / 事例でわかる景品表示法 | 表示規制と景品規制の全体像、最新改正、違反時の流れ |
| 効果・性能の訴求 | 表示規制の概要 / 不実証広告規制に関する指針 | 合理的根拠資料の要否、表示全体での誤認リスク |
| No.1・満足度・医師推奨 | No.1表示に関する実態調査報告書 | 主観的評価を指標とするNo.1表示や高評価%表示について、比較対象、調査対象者、調査方法、表示内容との対応関係を確認する |
| 通常価格・セール・期間限定 | 不当な価格表示についての景品表示法上の考え方 / 将来の販売価格を比較対照価格とする二重価格表示に対する執行方針 | 比較対照価格の根拠、販売実績、終了時期や条件の明示 |
| 比較広告 | 比較広告に関する景品表示法上の考え方 | 客観的実証、正確な引用、公正な比較方法 |
| EC・LP・通販表示 | 消費者向け電子商取引における表示についての景品表示法上の問題点と留意事項 / インターネット消費者取引に係る広告表示に関する景品表示法上の問題点及び留意事項 | 打消し表示、リンク遷移先への重要情報の置き方、返品条件や追加費用の見せ方 |
| SNS・インフルエンサー・アフィリエイト | ステルスマーケティング関連資料 / 管理上の措置指針 | 事業者関与の明示、PR表記、委託先管理 |
| キャンペーン・プレゼント | 景品規制の概要 / 懸賞の告示と運用基準 / 総付景品の告示と運用基準 | 一般懸賞、共同懸賞、総付景品の上限額 |
景表法ガイドラインとは何か
景表法は正式には不当景品類及び不当表示防止法です。消費者庁は、景品表示法のもとで、表示規制の概要、景品規制の概要、各種ガイドライン、運用基準、執行方針、実態調査報告書、パンフレットなどを公表しています。
実務でよくある誤解は、「景表法のガイドラインは1本だけある」と思ってしまうことです。実際には、景表法対応で見るべき資料は複数あり、広告表現の論点ごとに参照先が分かれています。
また、景表法の規制は大きく次の2本柱です。
- 表示規制:優良誤認表示、有利誤認表示、その他指定告示に該当する表示
- 景品規制:一般懸賞、共同懸賞、総付景品などの景品類の上限規制
したがって、広告審査の実務では、広告文言の適否を確認する場面と、キャンペーン設計の適否を確認する場面を切り分けて資料を探す必要があります。
まず押さえるべき主要ガイドライン一覧
ここでは、実務で使用頻度が高い資料を「どんな場面で読むのか」という観点で整理します。
1. 全体像をつかむための資料
| 資料名 | 使いどころ |
|---|---|
| 景品表示法 | 法令、改正情報、パンフレット、関連リンクの起点を確認したいとき |
| 景品表示法関係ガイドライン等 | 主要なガイドラインや運用基準を一覧で探したいとき |
| 事例でわかる景品表示法 | 社内説明用に、具体例で全体像を理解したいとき |
2. 表示規制を確認する資料
| 資料名 | 主な論点 |
|---|---|
| 表示規制の概要 | 優良誤認・有利誤認・指定告示の基本整理 |
| 不実証広告規制に関する指針 | 効果・性能表示の合理的根拠資料、根拠提出要求への備え |
| 不当な価格表示についての景品表示法上の考え方 | 通常価格、割引表示、価格訴求全般 |
| 将来の販売価格を比較対照価格とする二重価格表示に対する執行方針 | 「今後の通常価格予定」を使う二重価格表示の考え方 |
| 比較広告に関する景品表示法上の考え方 | 比較広告に必要な客観性、正確性、公正性 |
3. デジタル広告・SNS向けの資料
| 資料名 | 主な論点 |
|---|---|
| 消費者向け電子商取引における表示についての景品表示法上の問題点と留意事項 | ECサイト、返品条件、リンク先の情報設計、画面上の見せ方 |
| インターネット消費者取引に係る広告表示に関する景品表示法上の問題点及び留意事項 | インターネット広告全般の注意点 |
| 「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」の運用基準 | ステマ規制、PR表記、事業者関与の明示 |
4. 景品キャンペーン向けの資料
| 資料名 | 主な論点 |
|---|---|
| 景品規制の概要 | 一般懸賞、共同懸賞、総付景品の全体整理 |
| 懸賞による景品類の提供に関する事項の制限 / 運用基準 | 抽選型キャンペーンの上限額 |
| 一般消費者に対する景品類の提供に関する事項の制限 / 運用基準 | もれなく配る特典、来店プレゼント、ベタ付け景品 |
どの資料を見ればよいか毎回迷っていませんか?
景表法対応は、資料の数が多く、論点に合わない資料を読んでしまうと確認工数が膨らみやすい領域です。
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実務で迷いやすい論点別に、どのガイドラインを見るべきか
No.1表示・満足度No.1・医師推奨の表示
No.1表示は、現在の景表法実務で特に注意度が高い論点です。消費者庁は2024年9月26日に「No.1表示に関する実態調査報告書」を公表し、特に第三者の主観的評価を指標とするNo.1表示や「医師の90%が推奨」などの高評価%表示を中心に考え方を整理しました。
同報告書では、主観的評価によるNo.1表示の合理的根拠として、少なくとも次の4点を満たす必要があるとされています。

- 比較する商品等が適切に選定されていること
- 調査対象者が適切に選定されていること
- 調査が公平な方法で実施されていること
- 表示内容と調査結果が適切に対応していること
特に注意したいのが、「顧客満足度No.1」と表示しながら、実際には利用経験のない人のイメージ調査を根拠にしているケースです。報告書では、こうした表示を見た消費者の過半数が、実際の利用者調査だと受け取る傾向も示されています。
そのため、No.1表示や高評価%表示では、少なくとも次の観点を社内確認表に入れておくと実務でぶれにくくなります。
- 比較対象は市場の主要な同種・類似商品を適切に含んでいるか
- 調査対象者は誰か。実利用者か、一般消費者か、属性は表示内容に対応しているか
- 質問文は誘導的ではないか
- 調査時点、調査主体、サンプル数、集計方法を説明できるか
- 注記が小さすぎたり、表示本体とズレたりしていないか
なお、No.1表示は一律に禁止されているわけではありません。ただし、特に主観的評価を使う表示では、根拠資料の中身まで確認せずに調査会社のレポートだけを鵜呑みにする運用は危険です。
通常価格・セール価格・期間限定の表示
割引訴求では、「安く見せる表示」が実態と合っているかが中心論点です。確認すべき主な資料は、「不当な価格表示についての景品表示法上の考え方」と、「将来の販売価格を比較対照価格とする二重価格表示に対する執行方針」です。
たとえば、次のようなケースは要注意です。

- 通常価格と表示しているが、実際には最近相当期間販売した実績がない
- 「今だけ」と表示しながら、実際には恒常的に同条件で販売している
- 将来販売予定価格を比較対照価格に使うが、予定の実現可能性や期間設計が曖昧である
価格訴求はCVに直結しやすい一方で、売り方が似通いやすいため、社内で感覚判断になりやすい領域です。価格の履歴、セール期間、対象商品、条件、送料や手数料を含めた総支払額まで確認する運用が重要です。
比較広告の表示
競合比較を使った広告は、訴求力が高い反面、根拠が曖昧だと景表法上のリスクが上がります。「比較広告に関する景品表示法上の考え方」では、適正な比較広告の要件として、主に次の3点が示されています。
- 比較広告で主張する内容が客観的に実証されていること
- 実証されている数値や事実を正確かつ適正に引用すること
- 比較の方法が公正であること
つまり、比較広告はそれ自体が直ちにNGではありません。問題は、恣意的な比較対象の選定や、一部の有利な事実だけを抜き出した見せ方です。比較広告を使うなら、比較対象、調査条件、引用元、対象期間を説明できる状態にしておくべきです。
ECサイト・LP・通販表示
ECやLPでは、商品ページに掲載する文言だけでなく、リンク遷移先、スクロール下部、注記、返品条件、送料、支払条件の見せ方まで含めて評価されます。
特に確認したいのが、「消費者向け電子商取引における表示についての景品表示法上の問題点と留意事項」です。この資料では、ウェブページ上の表示が消費者にとって重要な情報源になることを踏まえ、重要情報を見えにくくする表示や、有利な点だけを強調して不利な点を隠す表示が問題になり得ることが整理されています。
LP審査では、次のような実務観点が重要です。
- メインコピーと注記の整合性が取れているか
- 返品条件、追加費用、対象外条件が見つけやすい位置にあるか
- 体験談、レビュー、専門家推薦の条件や前提が分かるか
- スマホ画面で見たときに、重要条件が埋もれていないか
SNS・インフルエンサー・アフィリエイトの表示
ステマ規制は、SNS運用担当者、代理店、インフルエンサー施策担当者が必ず押さえるべき論点です。消費者庁は、2023年10月1日からステルスマーケティングが景品表示法違反となることを公表しています。
景表法上の規制対象は基本的に事業者ですが、実務では、広告主だけでなく、代理店、制作会社、アフィリエイト運用者、インフルエンサーとの連携設計まで含めて管理する必要があります。なぜなら、広告主の関与がある表示なのに、一般消費者から広告と分からない形で出稿・投稿されることが問題の核心だからです。
運用上は、少なくとも次の確認が必要です。

- PR、広告、タイアップなどの表示が明瞭か
- 事業者が表示内容を指示・依頼・確認していないか、その関与の範囲はどうか
- レビュー転載やUGC活用が、実質的な広告表示になっていないか
- 委託先に広告表示ルールを契約・ガイドラインで共有しているか
プレゼントキャンペーン・懸賞・来店特典
景品規制では、キャンペーンが一般懸賞、共同懸賞、総付景品のどれに該当するかで上限額が変わります。
消費者庁の「景品規制の概要」では、たとえば次のように整理されています。
- 一般懸賞:取引価額5,000円未満なら最高額は取引価額の20倍、5,000円以上なら10万円、総額は売上予定総額の2%
- 共同懸賞:最高額30万円、総額は売上予定総額の3%
- 総付景品:取引価額1,000円未満なら200円まで、1,000円以上なら取引価額の10分の2
キャンペーン施策はクリエイティブ審査だけでなく、販促企画の設計段階で確認することが大切です。公開直前に法務確認すると、景品額の修正やキャンペーン設計のやり直しが発生しやすくなります。
消費者庁「景品規制の概要」
2024年改正景表法で、何が変わったのか
景表法対応を今あらためて見直すべき理由の一つが、令和5年改正景品表示法が、原則として2024年10月1日に施行されたことです。
実務上特に押さえたい改正ポイントは、次のとおりです。
- 確約手続の導入
- 課徴金制度の見直し
- 過去10年以内の課徴金納付命令歴がある事業者への課徴金額の加算(1.5倍)
- 優良誤認表示・有利誤認表示に対する直罰(100万円以下の罰金)の新設
違反時の整理は、煽らずにいうと、まず措置命令、次に要件を満たす場合の課徴金納付命令、さらに改正後は事案に応じて確約手続や刑事罰の論点も確認が必要という順番で理解すると実務に落とし込みやすいです。
なお、個別事案でどの手続や罰則が問題になるかは、違反類型や手続の進行状況によって異なるため、最終的には個別判断になります。
景表法ガイドラインを実務に落とし込む5つのステップ
- 訴求の種類を分ける
効果・性能、価格、比較、口コミ、キャンペーンのどの論点かを先に分類します。 - 対応する資料を特定する
景品表示法関係ガイドライン等の一覧から、該当するガイドラインを絞ります。 - 根拠資料を確認する
実験データ、価格履歴、アンケート票、集計条件、比較対象一覧などを確認します。 - 表示全体で点検する
大見出しだけでなく、注記、画像、レビュー、リンク先も含めて確認します。 - 記録を保存する
公開時点のクリエイティブ、根拠資料、調査票、承認履歴を保管します。
景表法対応では、「表現チェック」だけで終わらず、根拠資料の管理まで設計することが再発防止につながります。特にNo.1表示や価格訴求は、公開時点では問題がなくても、調査時点や価格条件が変わるとリスクが変動します。
法務チェックの工数を減らしつつ、訴求力も落としたくない方へ
景表法対応では、根拠確認、比較条件の整理、注記の見直しなど、確認項目が多くなりがちです。
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よくある表現と、見直しの方向性
| よくある表現 | 主なリスク | 見直しの方向性 |
|---|---|---|
| 顧客満足度No.1 | 比較対象、調査対象者、質問文が不明確だと誤認のおそれ | 自社の事実に即した調査条件を明示し、表示内容との対応関係を確認する |
| 今だけ半額 | 恒常的な値引きなら有利誤認のおそれ | 実施期間、対象、条件を具体的に示す |
| 通常価格10,000円→5,000円 | 通常価格の根拠が乏しいと二重価格表示の問題 | 比較対照価格の根拠と販売実績を確認する |
| 医師の90%が推奨 | 調査対象や質問設計によってはNo.1表示・高評価%表示の問題 | 調査対象者、質問文、比較対象、集計方法を精査する |
| PR表記のないレビュー投稿 | ステマ規制の対象となるおそれ | 事業者関与がある場合は広告であることを明瞭に表示する |
| 全員に豪華プレゼント | 景品上限超過のリスク | 総付景品か懸賞かを分類し、限度額を確認する |
ここで大切なのは、単語単体でOK・NGを決めないことです。景表法の適否は、文言そのものだけでなく、根拠資料、比較対象、注記、画像、前後文脈、遷移先の表示を含む全体で判断されます。
FAQ
景表法ガイドラインは法律そのものですか?
いいえ。法律の条文そのものではありません。ただし、消費者庁がどのように法運用を行うかを理解するうえで、実務上重要な資料です。条文、告示、運用基準、ガイドライン、執行方針、実態調査報告書をあわせて確認すると、判断精度を上げやすくなります。
消費者庁の一覧ページだけ見れば十分ですか?
一覧ページは出発点として有用ですが、実務では論点ごとに個別資料まで確認した方が安全です。特にNo.1表示、価格表示、ステマ、EC表示は別資料まで確認することをおすすめします。
No.1表示は全部NGですか?
一律にNGではありません。合理的根拠があり、表示内容と調査結果が適切に対応していれば問題にならない場合があります。ただし、特に主観的評価を指標とするNo.1表示や高評価%表示では、比較対象や調査対象者の設定、質問設計、表示との対応関係が不適切だと景表法上問題となるおそれがあります。
SNS施策では何を見ればよいですか?
まずはステルスマーケティング関連資料と運用基準です。加えて、LPや投稿先に誘導する導線がある場合は、インターネット広告やEC表示に関する資料も確認した方が実務的です。
景品キャンペーンは広告表示だけ見ればよいですか?
いいえ。キャンペーンでは表示規制に加えて景品規制も確認が必要です。文言が適切でも、景品額が上限を超えると別の論点で問題になります。
まとめ
「景表法 ガイドライン」で調べている担当者が最優先で押さえるべきことは、景表法には1本の万能ガイドラインがあるのではなく、論点別に参照すべき公的資料が分かれているという点です。
実務では、次の順で確認すると効率的です。
- まずは消費者庁の「景品表示法関係ガイドライン等」を起点にする
- 次に、No.1表示、価格表示、EC表示、ステマ、景品規制など論点別資料へ進む
- 最後に、根拠資料と表示全体の整合性まで確認する
上位記事の多くは景表法の概要解説にとどまりがちですが、実務で本当に役立つのは、どの資料を、どの場面で使うかがすぐ分かることです。社内審査、代理店連携、LP確認、SNS運用まで含めて景表法対応を整理したい場合は、本記事の早見表をチェックリスト代わりに使ってください。
景表法対応を、制作スピードを落とさず進めたい方へ
広告表現の確認は、法務の安全性だけでなく、マーケティング施策のスピード維持にも関わります。
AIによる広告法務チェックツール「アドミル」なら、リスク箇所を瞬時に判定し、ガイドラインに沿った代替表現の方向性をご提案します。
免責事項
本記事は、景品表示法に関する一般的な情報提供を目的として作成したものです。個別の広告表示やキャンペーン施策の適法性は、商材、表示媒体、根拠資料、注記、画像、前後文脈、遷移先表示などを踏まえて個別判断が必要です。最新の法令・公的資料を確認のうえ、必要に応じて専門家にご相談ください。
参照した公的機関・法令一覧
- 消費者庁「景品表示法」
- 消費者庁「景品表示法関係ガイドライン等」
- 消費者庁「表示規制の概要」
- 消費者庁「景品規制の概要」
- 消費者庁「景品表示法違反行為を行った場合はどうなるのでしょうか?」
- 消費者庁「令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります。」
- 消費者庁「No.1表示に関する実態調査報告書」
- 消費者庁「【令和6年10月1日施行】改正景品表示法の概要」
- e-Gov法令検索「不当景品類及び不当表示防止法」

