景品表示法は消費者庁で何を見る?実務解説

最終更新日:2026年5月22日

「景品表示法について消費者庁のどの資料を見ればよいのか分からない」「自社のLPやSNS広告が景表法上問題ないか確認したい」と悩む広告担当者は少なくありません。

結論からいうと、景品表示法を確認する際は、まず消費者庁の「景品表示法」ページで全体像を押さえたうえで、「表示規制の概要」「景品規制の概要」「景品表示法違反行為を行った場合」の3ページを確認するのが実務上効率的です。

ただし、広告表現の適否は、文言単体では判断できません。商材区分、根拠資料、表示全体、画像、注記、前後文脈、媒体特性によって判断が変わるため、消費者庁資料を確認しながら、実際のクリエイティブ単位でリスクを整理することが重要です。

参考資料(出典):
消費者庁「景品表示法」

景品表示法を消費者庁で確認する際の要点【早見表】

景品表示法は、広告・表示に関する「表示規制」と、キャンペーンやプレゼントに関する「景品規制」の両方を扱う法律です。まずは、広告実務で確認すべき消費者庁資料を整理します。

知りたいこと 消費者庁で確認する資料 広告実務で見るポイント
景品表示法の全体像 景品表示法ページ 法令、改正情報、パンフレット、関連ガイドラインの所在を確認します。
広告表現の規制 表示規制の概要 優良誤認、有利誤認、不実証広告規制、指定告示を確認します。
景品・プレゼント施策 景品規制の概要 一般懸賞、共同懸賞、総付景品、オープン懸賞のどれに当たるかを確認します。
違反時の対応 景品表示法違反行為を行った場合 措置命令、課徴金納付命令、確約手続、指導の可能性を確認します。

消費者庁の景品表示法ページで確認できる主な情報

「景品表示法 消費者庁」と検索するユーザーの多くは、消費者庁の公式ページでどの資料を見ればよいかを知りたい状態です。消費者庁の景品表示法ページでは、景品表示法関連法令、改正情報、パンフレット、表示規制、景品規制、違反時対応、ステルスマーケティング、ガイドライン等を確認できます。

消費者庁ページ内の項目 確認できる内容 広告実務での使い方
景品表示法とは 景品表示法の目的、表示規制、景品規制の基本 社内研修や広告審査マニュアルの基礎資料として活用します。
表示規制の概要 優良誤認、有利誤認、指定告示、不実証広告規制 LP、バナー、SNS投稿、記事LPの表現チェックに使います。
景品規制の概要 一般懸賞、共同懸賞、総付景品などの分類と限度額 キャンペーン、抽選、購入者特典、プレゼント企画の設計時に確認します。
違反行為を行った場合 措置命令、課徴金納付命令、確約手続など リスク説明や社内承認時の判断材料として確認します。
ステルスマーケティング関連情報 ステマ規制の概要、運用基準、ガイドブック、Q&A インフルエンサー施策、アフィリエイト、口コミ風LPの管理に使います。
参考資料(出典):
消費者庁「景品表示法」

景品表示法とは?消費者庁が所管する広告・景品の基本ルール

景品表示法の正式名称は「不当景品類及び不当表示防止法」です。商品やサービスの内容、品質、価格、取引条件などについて、実際よりも良く見せる表示や、過大な景品類の提供によって、一般消費者の自主的かつ合理的な選択が妨げられることを防ぐ目的があります。

広告実務では、景品表示法を「広告表現の法律」と捉えがちですが、実際には次の2つを同時に確認する必要があります。

  • 表示規制:優良誤認、有利誤認、ステマ規制など、広告・表示の内容に関する規制
  • 景品規制:キャンペーン、抽選、プレゼント、購入者特典など、景品類の提供に関する規制

LP、バナー、SNS広告、記事LP、アフィリエイト広告、口コミ投稿、店頭POP、メールマガジンなど、媒体を問わず、商品やサービスの取引に関係する表示は景品表示法上の確認対象になり得ます。

消費者庁資料を見るときは「公式情報」と「自社広告」を分けて考える

消費者庁の資料は、法令や制度の一次情報として重要です。一方で、自社の広告表現が問題になり得るかどうかは、表示全体の印象、根拠資料、注記、商材区分、媒体特性などを踏まえて個別に検討する必要があります。

そのため、消費者庁資料を読むだけで「この表現は問題ない」と判断するのではなく、「どの規制類型に当たり得るか」「どの根拠資料が必要か」「表示全体として誤認を招かないか」を確認することが重要です。

消費者庁資料でまず確認すべき表示規制

景品表示法の表示規制では、主に「優良誤認表示」「有利誤認表示」「その他誤認されるおそれのある表示」を確認します。広告表現をチェックする際は、この3分類に当てはめて考えると整理しやすくなります。

分類 主な対象 実務で注意したい表現例
優良誤認表示 品質、規格、性能、効果、内容 「最高品質」「日本初」「業界No.1」「これだけで改善」「医師も推奨」など
有利誤認表示 価格、割引率、キャンペーン条件、取引条件 「今だけ半額」「通常価格より安い」「先着限定」「実質無料」など
指定告示に基づく表示 ステマ規制、おとり広告、原産国表示など 広告主の関与があるのに広告であることが分かりにくい投稿、在庫がない商品の訴求など
参考資料(出典):
消費者庁「表示規制の概要」

優良誤認表示:品質・効果・性能を実際より良く見せるリスク

優良誤認表示は、商品やサービスの品質、規格、その他の内容について、実際のものよりも著しく優良であると一般消費者に誤認されるおそれがある表示です。

広告実務では、特に「効果」「性能」「実績」「専門家推奨」「ランキング」「満足度」などの訴求で問題になりやすい傾向があります。たとえば、根拠が不十分なまま「満足度No.1」「医師が推奨」「短期間で変化を実感」などと表示すると、表示内容と根拠資料の対応関係が問われる可能性があります。

また、消費者庁長官は、商品・サービスの効果や性能に関する表示について、優良誤認表示に該当するか判断するため、事業者に合理的な根拠資料の提出を求めることがあります。提出できない場合や、資料が合理的な根拠と認められない場合、不当表示とみなされる又は推定される場合があります。

有利誤認表示:価格・割引・キャンペーン条件のリスク

有利誤認表示は、価格その他の取引条件について、実際よりも著しく有利であると一般消費者に誤認されるおそれがある表示です。

広告実務では、「通常価格」「限定価格」「今だけ」「先着」「無料」「返金保証」「定期初回○円」などの訴求で注意が必要です。特に、二重価格表示では、比較対象となる価格が実際に販売されていた価格なのか、販売期間や販売実績が十分か、注記が分かりやすいかを確認する必要があります。

ステマ規制:広告であることが分かりにくい表示のリスク

令和5年10月1日から、ステルスマーケティングは景品表示法違反となりました。消費者庁は、広告であるにもかかわらず広告であることを隠す表示をステルスマーケティングとして説明しています。

景品表示法上のステマ規制の対象は、商品・サービスを供給する事業者、つまり広告主側です。インフルエンサーやアフィリエイターなどの第三者が直接規制対象になるわけではないとされていますが、広告主は依頼内容、投稿管理、広告表示の明示方法を整備する必要があります。

実務では、インフルエンサー投稿、アフィリエイト記事、口コミ風LP、レビュー投稿、SNSキャンペーンなどで注意が必要です。広告主が投稿内容の決定に関与している場合は、一般消費者が広告であることを認識できる表示になっているかを確認します。

広告実務で見落としやすい景表法リスク

消費者庁資料を確認するだけでなく、実際の広告チェックでは「どの表現が誤認につながりやすいか」を具体的に見る必要があります。ここでは、LPやSNS広告、記事LPで特に確認したいポイントを整理します。

No.1・最高峰・日本初などの最上級表現

「売上No.1」「顧客満足度No.1」「日本初」「最高峰」「業界最高水準」などの表現は、一般消費者に強い印象を与えるため、根拠資料との対応関係が重要です。

No.1表示や高評価%表示を使う場合は、少なくとも次の観点を確認します。

  • 比較対象となる商品・サービスや事業者の範囲は妥当か
  • 調査対象者の属性は表示内容と一致しているか
  • 質問文が誘導的ではないか
  • 集計方法やサンプル数が表示の根拠として適切か
  • 調査時点が現在の表示と大きくずれていないか
  • 広告上の注記が小さすぎたり、離れた位置に置かれたりしていないか

体験談・レビュー・ビフォー・アフター(Before/After)

体験談やレビューは、実際の利用者の声であっても、表示全体として一般消費者に過度な期待を与える場合は、優良誤認表示などのリスクが生じ得ます。

特に、化粧品、健康食品、サプリメント、美容サービス、ダイエット商材では、「個人の感想です」といった注記を入れるだけでは十分とは限りません。体験談の選定方法、再現性、平均的な結果との関係、画像加工の有無、使用条件なども確認する必要があります。

二重価格・割引・キャンペーン表示

「通常価格10,000円のところ今だけ4,980円」「初回無料」「最大90%OFF」などの価格訴求は、有利誤認表示の観点で確認します。

比較対象価格が実際に販売されていた価格なのか、キャンペーン期間や適用条件が明確か、定期購入の条件が分かりやすく表示されているかを確認しましょう。価格訴求はCVに直結しやすい一方で、広告表現と購入画面の表示がズレるとトラブルにつながりやすい領域です。

アフィリエイト広告・SNS投稿・口コミ風LP

アフィリエイト広告やSNS投稿では、広告主以外の第三者が作成した表示であっても、広告主の関与や管理状況によっては景品表示法上の問題が生じ得ます。

投稿者への依頼内容、表現ルール、修正指示、報酬条件、広告表示の位置などを整理し、広告であることが一般消費者に分かる状態になっているかを確認することが大切です。

消費者庁資料を見ても広告表現の判断に迷う方へ

景品表示法のルールは理解できても、実際のLP・SNS広告・記事LPに当てはめると判断に迷う場面は少なくありません。
AIによる広告法務チェックツール「アドミル」なら、リスク箇所を瞬時に判定し、ガイドラインに沿った代替表現の方向性をご提案します。

アドミルの詳細を見る

景品規制は「取引に付随するか」を先に確認する

キャンペーンやプレゼント施策を行う場合は、景品表示法の景品規制も確認が必要です。実務上は、まず「商品・サービスの購入、来店、契約などに付随して提供される経済上の利益か」を確認します。

景品類に該当する場合は、一般懸賞、共同懸賞、総付景品などの分類に応じて、提供できる景品類の限度額が変わります。

分類 概要 主な限度額
一般懸賞 抽選、くじ、クイズ、競技などにより景品を提供するもの 取引価額5,000円未満は取引価額の20倍、5,000円以上は10万円。総額は売上予定総額の2%まで。
共同懸賞 一定地域の商店街など複数事業者が共同で行う懸賞 取引価額にかかわらず最高30万円。総額は売上予定総額の3%まで。
総付景品 購入者や来店者全員、先着順など、懸賞によらず提供する景品 取引価額1,000円未満は200円、1,000円以上は取引価額の10分の2まで。
オープン懸賞 購入や来店を条件とせず、広く告知して応募できる企画 景品規制の適用対象外とされる場合があります。ただし企画条件は個別確認が必要です。
参考資料(出典):
消費者庁「景品規制の概要」

違反が疑われた場合の流れ:措置命令・課徴金・確約手続

景品表示法に違反する不当表示や過大な景品類の提供が疑われる場合、消費者庁は関連資料の収集や事業者への事情聴取などの調査を行います。違反行為が認められた場合には、措置命令などの措置が採られます。

対応 概要 実務での注意点
措置命令 誤認排除、再発防止策、同様の違反行為を行わないことなどを命じる措置です。 命令内容や事案の概要が公表されるため、ブランド毀損や取引先対応にも影響します。
課徴金納付命令 一定の不当表示について、要件を満たす場合に課徴金の納付を命じる制度です。 優良誤認・有利誤認のリスクがある表示では、売上規模や表示期間も管理しておく必要があります。
確約手続 違反の疑いがある行為について、事業者の自主的な取組により解決を図る制度です。 令和6年10月1日施行の改正により導入されています。詳細は個別事案ごとに確認が必要です。
悪質な場合の刑事罰 故意性や悪質性が問題となる場合、刑事罰の対象となる可能性があります。 広告審査では、誇張表現だけでなく、根拠の有無や社内管理体制も確認しましょう。

化粧品・健康食品では景品表示法だけでなく薬機法・健康増進法も確認する

化粧品、医薬部外品、健康食品、サプリメント、機能性表示食品の広告では、景品表示法だけを確認しても不十分な場合があります。景品表示法上の優良誤認に加え、薬機法、健康増進法、食品表示法などの規制も併せて確認する必要があります。

商材区分 主な確認ポイント 広告実務での注意点
一般化粧品 化粧品で認められる効能効果の範囲内か 一般化粧品は、原則として56の効能効果の範囲内で表現を検討します。
医薬部外品 個別承認の範囲内か 「有効成分」「効能効果」の表示は、承認内容と一致しているかを確認します。
健康食品・サプリ 医薬品的効能効果を標ぼうしていないか 疾病の治療・予防、身体機能の改善を断定する表現は慎重な確認が必要です。
機能性表示食品 届出内容に即した表示か 届出表示や科学的根拠を超えた広告訴求になっていないかを確認します。

薬機法第66条は「何人も」を対象としており、メーカーだけでなく、広告代理店、アフィリエイター、インフルエンサーなども広告表現に関与する立場として注意が必要です。また、同条2項では、医師その他の者が効能効果を保証したものと誤解されるおそれがある記事も問題となり得ます。

そのため、「医師もおすすめ」「専門家が認めた」「クリニック級」などの表現は、景品表示法上の根拠だけでなく、薬機法上の保証表現リスクも併せて確認しましょう。

消費者庁資料を使った広告チェック手順

広告チェックでは、消費者庁資料を単に読むだけでなく、自社の広告表現に落とし込む手順が重要です。次の順番で確認すると、抜け漏れを減らしやすくなります。

1. 商材区分を確定する

まず、対象商品が一般化粧品、医薬部外品、健康食品、機能性表示食品、一般商品、サービスのどれに当たるかを確認します。商材区分によって、景品表示法以外に確認すべき法令が変わります。

2. 表示内容を分解する

広告内の表現を、効果・性能、価格・条件、実績・ランキング、体験談、専門家推奨、キャンペーン、注記に分けて整理します。画像内テキストや動画内のテロップ、音声も確認対象です。

3. 根拠資料と表示内容を対応させる

「No.1」「満足度95%」「医師推奨」「短期間で変化」など、根拠が必要な表示については、調査資料、販売実績、試験データ、届出内容、承認内容などと表示が対応しているか確認します。

4. 表示全体の印象を確認する

注記を入れていても、ファーストビュー、画像、強調文字、グラフ、体験談、CTAの流れによって、一般消費者に過度な期待を与える場合があります。文言単体ではなく、広告全体で確認しましょう。

5. 修正案を安全寄りに検討する

問題となり得る表現が見つかった場合は、単に削除するだけでなく、根拠に合わせた表現へ調整します。たとえば「必ず改善」ではなく「使用感には個人差があります」「調査条件を明記する」「届出表示の範囲に合わせる」など、一般的に安全寄りの方向で検討します。ただし、最終的な適否は個別判断です。

よくある質問

Q. 景品表示法は消費者庁のどのページを見ればよいですか?

まずは消費者庁の「景品表示法」ページで全体像を確認し、「表示規制の概要」「景品規制の概要」「景品表示法違反行為を行った場合」を確認するのが実務上分かりやすいです。ステマ規制やNo.1表示など、個別論点は関連ガイドラインや公表資料も併せて確認します。

Q. 消費者庁資料に書かれていない表現なら使ってもよいですか?

そのようには判断できません。景品表示法上の適否は、文言単体ではなく、表示全体、根拠資料、商材区分、画像、注記、前後文脈などを踏まえて判断されます。消費者庁資料に同じ表現例がない場合でも、優良誤認や有利誤認のリスクが生じる可能性があります。

Q. 「No.1」と表示する場合、調査会社のデータがあれば問題ないですか?

調査会社のデータがあるだけで十分とは限りません。比較対象、調査対象者、質問文、集計方法、調査時点、サンプル数、表示内容との対応関係を確認する必要があります。調査条件を広告内で分かりやすく表示することも重要です。

Q. アフィリエイターやインフルエンサーの投稿も景品表示法の確認が必要ですか?

必要です。ステマ規制において景品表示法上の規制対象は広告主側とされていますが、広告主の関与がある表示で、一般消費者が広告であることを分かりにくいものは問題になり得ます。広告主側は、依頼内容、表示ルール、投稿確認、広告表示の明示方法を管理することが重要です。

Q. 景品表示法と薬機法のどちらを優先して確認すべきですか?

化粧品、医薬部外品、健康食品、機能性表示食品などでは、両方を確認する必要があります。景品表示法上は根拠があっても、薬機法上認められない効能効果や医師等の保証表現に当たり得る場合があります。

景表法チェックの属人化を減らしたい方へ

消費者庁資料を確認しながら広告表現を1件ずつ見る作業は、担当者の知識や経験に依存しやすく、確認工数も大きくなりがちです。
AIによる広告法務チェックツール「アドミル」なら、リスク箇所を瞬時に判定し、ガイドラインに沿った代替表現の方向性をご提案します。

アドミルの詳細を見る

まとめ:景品表示法は消費者庁資料を起点に、広告全体で判断する

景品表示法を確認する際は、消費者庁の公式資料を起点にすることが重要です。特に、表示規制、景品規制、違反時対応、ステマ規制、No.1表示に関する資料は、広告実務で優先的に確認したい情報です。

一方で、実際の広告表現の適否は、文言単体では判断できません。商材区分、根拠資料、表示全体、画像、注記、媒体、前後文脈によって判断が変わります。特に、化粧品・健康食品・サプリメント・機能性表示食品では、景品表示法に加えて薬機法や健康増進法なども併せて確認しましょう。

社内で広告表現を確認する際は、消費者庁資料を参照するだけでなく、自社の広告チェックリストやレギュレーションに落とし込み、制作担当者、広告運用担当者、法務担当者が同じ基準で確認できる体制を整えることが大切です。

免責事項

本記事は、公開日時点で確認できる公的機関の資料等をもとに、広告実務の参考情報として作成したものです。個別の広告表現の適否は、商材区分、根拠資料、表示全体、画像、注記、前後文脈、媒体、最新の法令・ガイドライン・行政運用等によって異なります。実際の広告運用にあたっては、最新の公的資料を確認し、必要に応じて専門家へ相談してください。

参照した公的機関・法令一覧: