健康食品の広告規制とは?薬機法・健康増進法・景表法のNG表現と言い換え

健康食品の広告規制とは?薬機法・健康増進法・景表法のNG表現と言い換え

最終更新日:2026年10月7日

健康食品の広告は、薬機法・健康増進法・景品表示法・特定商取引法・食品表示法の5つの法律が重ねて規制しています。最大の分かれ目は「医薬品的な効能効果」をうたっていないかです。病気の治療・予防や体の機能の増強をうたうと、食品として売っていても原則として医薬品とみなされ、承認のない医薬品の広告として違反になるおそれがあります。

そのうえで、効果の誇張や根拠のない表示(健康増進法・景品表示法)、定期購入の表示(特定商取引法)、保健機能食品の表示ルール(食品表示法)を確認します。本記事では、各法律の要点、NG表現と言い換えの方向性、体験談の扱い、公開前チェックリストを、消費者庁・厚生労働省の一次情報をもとに整理します。

健康食品の広告規制 早見表

法律 主に見られるポイント 健康食品で問題になりやすい表示 主な制裁
薬機法 医薬品的な効能効果・形状・用法用量 「糖尿病の方に」「免疫力を高める」「食前に2粒」 中止命令等、2年以下の拘禁刑・200万円以下の罰金(第68条違反)
健康増進法 健康保持増進効果等の虚偽誇大表示(第65条) 「飲むだけで医者いらず」「血液サラサラ」 指導、勧告・公表、命令、命令違反に罰則
景品表示法 優良誤認、不実証広告、打消し表示、ステマ 根拠のない痩身効果、「個人の感想です」頼みの体験談 措置命令、課徴金、直罰
特定商取引法 通販広告の表示事項、最終確認画面 「初回無料」を強調し定期購入の条件が分かりにくい 指示・業務停止等、罰則、消費者の取消権
食品表示法 保健機能食品の表示ルール 許可・届出・基準の範囲を超える機能表示 指示・命令(第6条)

同じ広告の1つの表現に、複数の法律が同時にかかる点がポイントです。以下、法律ごとに要点を見ていきます。

健康食品の広告規制の全体像

「健康食品」に法律上の定義はない

厚生労働省は、いわゆる「健康食品」について法律上の定義は無いとしています。医薬品以外で口から摂取し、健康の維持・増進に役立つことをうたって売られる食品全般を指す言葉です(厚生労働省「いわゆる『健康食品』のホームページ」)。

このうち国の制度に基づいて機能を表示できるのが「保健機能食品」です。それ以外は一般に「いわゆる健康食品」と呼ばれ、サプリメントも保健機能食品でなければこちらに入ります。

広告主以外も規制の対象になる

健康増進法第65条は「何人も」と定めています。そのため、メーカーや販売店だけでなく、広告代理店や媒体社も対象になり得ます。アフィリエイター(成果報酬型広告の掲載者)も、表示内容の決定に関与していれば対象になり得ます(代理店・媒体社は健康増進法第65条第1項の適用に関するQ&A Q6、アフィリエイターは健康食品に関する留意事項 第3の3(3))。

誰が規制の対象か(健康増進法と景品表示法)
健康増進法 第65条
「何人も」と定める
・メーカー・販売店に限られない
・広告代理店・媒体社も対象になり得る
・表示内容の決定に関与したアフィリエイターも対象になり得る
景品表示法
商品を供給する事業者が対象
・表示をアフィリエイターに任せた広告主も対象になり得る
・表示内容の決定に関与したと評価されるかで判断
出典:消費者庁「健康増進法第65条第1項の適用に関するQ&A」Q6、「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」第3の3

景品表示法の対象は商品を供給する事業者です。ただし、アフィリエイターに表示内容を任せた広告主も、表示内容の決定に関与したと評価されれば措置の対象になります。

健康食品と薬機法:医薬品的な効能効果をうたうと「無承認医薬品」になる

薬機法は、病気の治療・予防に使う物や、身体の構造・機能に影響を及ぼす物を「医薬品」と定めています(第2条第1項第2号・第3号)。

食品の名目で売っていても、広告が医薬品的な目的を示していれば、原則として医薬品とみなされます。承認を受けていない医薬品の名称・効能効果などの広告は、第68条で禁止されています。薬機法全体の仕組みは「薬機法とは」で解説しています。

46通知(無承認無許可医薬品の指導取締りについて)の判断要素

食品か医薬品かの線引きを示すのが、昭和46年の厚生省薬務局長通知「無承認無許可医薬品の指導取締りについて」(通称46通知)です。別紙「医薬品の範囲に関する基準」で、成分本質(原材料)、形状、効能効果、用法用量などを総合的に判断するとしています。

判断要素 医薬品とみなされ得るケース 例
成分本質(原材料) 「専ら医薬品として使用される成分本質」を含む 表示内容にかかわらず原則医薬品
効能効果 医薬品的な効能効果を標ぼう(暗示を含む) 「高血圧の人に」「疲労回復」
形状 アンプル形状など専ら医薬品的な形状 錠剤・カプセルは「食品」と明示すれば形状のみでは判断しない
用法用量 服用時期・間隔・量を定める 「1日2〜3回、1回2〜3粒」「お休み前に1〜2粒」

成分本質のリストは厚生労働省の「食薬区分」で例示され、随時改正されます(無承認無許可医薬品情報)。新しい原材料を使う場合は、まずリスト上の位置づけを確認しましょう。

医薬品的な効能効果とされる3つの類型

46通知は、医薬品的な効能効果を次の3つに分けています。

  1. 疾病の治療又は予防:「糖尿病、高血圧、動脈硬化の人に」「便秘がなおる」など
  2. 身体の組織機能の一般的増強・増進:「疲労回復」「体力増強」「老化防止」「新陳代謝を盛んにする」など。ただし、栄養補給や健康維持に関する表現は除かれます
  3. 暗示:名称・キャッチフレーズ(「漢方秘法」など)、成分や製法・起源の説明、新聞記事や医師・学者の談話、経験談の引用で効能を連想させるもの

なお46通知は、許可を受けた表示内容を表示する特別用途食品(トクホを含む)や、届け出た表示内容を表示する機能性表示食品を、原則として医薬品と認識されないものとしています。裏を返せば、許可・届出の範囲を超えた表示は、この扱いの外に出るおそれがあります。

違反した場合

第68条違反は、2年以下の拘禁刑もしくは200万円以下の罰金、またはその併科の対象です(第85条第5号)。法人にも罰金刑が科される両罰規定があります(第90条)。

さらに厚生労働大臣や都道府県知事は、広告の中止などを命じることができます(第72条の5)。販売面でも、無許可・未承認の医薬品の販売として第84条(3年以下の拘禁刑・300万円以下の罰金等)の対象となり得ます。

健康増進法の広告規制(第65条):健康保持増進効果等の虚偽誇大表示

健康増進法第65条第1項は、食品として販売する物の広告などを対象にしています(e-Gov法令検索)。「健康保持増進効果等」について、著しく事実に相違する表示や著しく人を誤認させる表示を禁じる規定です。

「健康保持増進効果等」は広い概念です。消費者庁は、疾病の治療・予防、身体機能の増強、特定の保健の用途、栄養成分の効果のほか、含有量や熱量、美容・痩身の効果も含むとしています。名称やキャッチフレーズ、悩みの列挙、体験談による暗示的な表現も含まれます。

「著しく」に当たる例として、消費者庁は、真の効果を知っていれば消費者がその食品に誘引されないような場合を挙げています。違反のおそれがあると、消費者庁は改善を指導します。国民の健康の保持増進などに重大な影響を与えるおそれがあれば、勧告・公表されることがあります。正当な理由なく勧告に従わなければ、命令が出されることもあります。命令違反は6月以下の拘禁刑または100万円以下の罰金です(第66条・第71条)。

健康増進法(第65条)違反への行政の対応
1
改善指導
違反のおそれがある表示について、改善するよう指導する
2
勧告
健康の保持増進などに重大な影響のおそれがあれば、勧告できる(第66条第1項)
3
命令
正当な理由なく勧告に従わない場合、措置をとるよう命じることができる(第66条第2項)
4
罰則
命令違反は6月以下の拘禁刑または100万円以下の罰金(第71条)
出典:e-Gov法令検索「健康増進法」第66条・第71条、消費者庁「健康増進法第65条第1項の適用に関するQ&A」Q7

監視も継続的です。消費者庁は2026年4〜6月に、インターネット上で健康食品等を販売する117事業者・126商品の表示について改善指導を行いました(2026年9月4日公表)。

景品表示法:優良誤認・不実証広告規制・打消し表示

景品表示法は、商品の品質などを実際よりも著しく優良に見せる「優良誤認表示」を禁止しています(第5条第1号)。違反すると、措置命令(違反の取りやめや再発防止を命じる行政処分)や課徴金の対象になります。課徴金は、対象商品の売上額に応じて国に納めさせる金銭です。制度の全体像は「景品表示法とは」、判断基準は「優良誤認とは」で詳しく解説しています。

不実証広告規制:根拠資料を出せなければ優良誤認とみなされる

消費者庁は、効果をうたう表示の裏付けとなる「合理的な根拠」を示す資料を、期間を定めて求めることができます。提出しない場合や、資料が合理的な根拠と認められない場合、措置命令では優良誤認とみなされ、課徴金では推定されます(第7条第2項・第8条第3項)。

不実証広告規制の流れ(景品表示法)
1
資料の提出要求
消費者庁が期間を定めて、表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料を求める
2
提出と判断
事業者が資料を提出し、合理的な根拠と認められるかが判断される
3
未提出・根拠と認められない
措置命令では優良誤認とみなされ、課徴金では推定される
第7条第2項・第8条第3項。出典:e-Gov法令検索「不当景品類及び不当表示防止法」、消費者庁「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」第3の5

健康食品の事例で根拠と認められなかった理由として、留意事項は次のようなものを挙げています。

  • 成分に関するウェブ情報やレビューをまとめただけで、商品自体の効果を実証していない
  • 動物実験のデータで、ヒトへの有効性を示していない
  • 論文の摂取量と商品の含有量が大きく乖離している
  • 「運動・食事制限なしで痩せる」とうたいながら、試験では運動や食事の指導をしていた

打消し表示:「個人の感想です」では打ち消せない

打消し表示とは、強調表示の例外や条件を示す注記のことです。消費者庁は、体験談を見た消費者は「大体の人に効果がある」と受け止め、「個人の感想です」と添えてもその認識はほとんど変わらないとしています(打消し表示に関する留意点)。

文字が小さい、強調表示から離れている、動画で表示時間が短いといった注記も、気付かれにくく問題になり得ます。打消し表示は、強調表示が実態どおりであることを前提とした補足と考えましょう。

課徴金と直罰

優良誤認表示・有利誤認表示には、原則として売上額の3%の課徴金が課されます(第8条第1項。算定額150万円未満などは対象外)。2024年10月1日施行の改正で、過去10年以内に課徴金納付命令を受けた事業者は1.5倍に加算されます。優良誤認・有利誤認への直罰(100万円以下の罰金)も新設されました(令和5年改正景品表示法の概要)。

ステマ規制

広告であることを隠した口コミやインフルエンサー投稿は、ステルスマーケティング(ステマ)と呼ばれます。2023年10月1日から景品表示法の不当表示として規制されています(消費者庁 ステルスマーケティング規制)。サプリでも措置命令が出ています。詳しくは「ステマ規制とは」をご覧ください。

特定商取引法:定期購入の「お試し」表示に注意

健康食品の通販では、特定商取引法の広告ルールも必ず確認します。広告には価格・送料、支払時期と方法、引渡時期、返品・解約の条件などの表示が必要です(第11条)。誇大広告も禁止されています(第12条)。

2022年6月1日施行の改正で、注文確定直前の「最終確認画面」に分量・価格・支払時期・解約条件などを表示する義務ができました(第12条の6)。必要な事項を表示しない、事実と異なる表示をする、誤認させる表示をするといった行為で誤認して申し込んだ消費者には、取消権があります(第15条の4)。

消費者庁の通信販売の申込み段階における表示についてのガイドラインは、定期購入では各回の代金に加えて支払総額の明示を求めています。「お試し」「トライアル」を殊更に強調しながら、実際は定期購入だったり解約に条件があったりする表示は、問題となるおそれが強いとしています。「いつでも解約可能」と強調しながら解約条件を付ける表示も、誤認させる表示に当たるおそれがあるとしています。具体的な表示項目は「通販広告の表示義務」で整理しています。

食品表示法:保健機能食品といわゆる健康食品の違い

機能を表示できる「保健機能食品」は、特定保健用食品(トクホ)・機能性表示食品・栄養機能食品の3つです(食品表示基準第2条・第9条)。

区分 国の関与 表示できる内容 広告での主な注意点
特定保健用食品(トクホ) 商品ごとに国が有効性・安全性を審査し許可(健康増進法第43条第1項) 許可された保健の用途 許可表示を超える表現(「食後の」を省くなど)はNG
機能性表示食品 事業者の責任で、販売開始日の60日前(土日祝日・年末年始を除いて数える)までに科学的根拠等を消費者庁長官へ届出(確認に時間を要する新規成分などは同じ数え方で120日前まで)。国の個別審査はない 届け出た機能(疾病リスク低減は不可) 「消費者庁承認」など国のお墨付きを思わせる表示はNG
栄養機能食品 国の基準に適合すれば個別の許可申請は不要(自己認証制度) 基準で定められた栄養成分の機能 基準外の成分の機能をうたうのはNG
いわゆる健康食品 制度上の位置づけなし 機能の表示は不可(食品表示基準第9条) 保健機能食品と紛らわしい名称もNG

表のとおり、国の関与の度合いと表示できる範囲は区分ごとに異なります。どの区分でも、許可・届出・基準の範囲を超えた広告は虚偽誇大表示等に当たるおそれがあります(消費者庁「保健機能食品について」、特定保健用食品について、栄養機能食品について)。

機能性表示食品は2024年に制度が見直されました。2024年9月1日施行の改正で、届出者に健康被害情報の提供が義務付けられています(消費者庁「機能性表示食品の今後について」)。

健康食品の広告NG表現と言い換えの方向性

よく問題になる表現を、類型ごとに整理しました。

類型 NG表現の例 なぜNGか 言い換えの方向性
疾病の治療・予防 「糖尿病・高血圧の方に」「がん予防」「花粉症に効く」 46通知の医薬品的効能効果。薬機法第68条違反のおそれ 疾病名・症状を外し、原材料や含有量、味など商品の事実で訴求
身体機能の増強 「疲労回復」「免疫力を高める」「代謝アップ」「若返り」 46通知の「組織機能の一般的増強」。健康増進法上も問題になり得る 具体的な作用を言わない「毎日の栄養補給に」など栄養補給・健康維持の表現
痩身 「飲むだけで痩せる」「食べたカロリーをなかったことに」 運動・食事制限なしの著しい痩身は虚偽誇大のおそれ。「脂肪燃焼」は機能増強にも該当 食生活の見直しを前提にした位置づけ。カロリーなど数値の事実表示
医薬品的な用法用量 「1日3回食後に2粒」「お休み前に」 時期・間隔・量の指定は原則医薬品的(46通知) 食品と明示し「栄養補給の目安として1日2〜3粒程度」
名称・由来での暗示 「漢方秘法」「欧州では医薬品として使用」 名称や起源の説明による効能の暗示 医薬品を連想させない名称。由来は産地・製法の事実に留める
悩みの列挙 「健康診断で数値を指摘された方に」 摂取だけで悩みが解消すると誤認させるおそれ 悩みではなく利用シーン(「忙しい日の食事に」)で訴求
最上級・断定 「日本一の品質」「絶対痩せる」「誰でも簡単に」 健康効果の最上級・断定は客観的な立証が困難 実証できる事実に限り、根拠と調査条件を併記
公的認証の誤認 「消費者庁承認」「○○省推薦」 機能性表示食品は国の許可ではない 「機能性表示食品(届出番号○○)」と正確に表記

用法用量の言い換えは、東京都が示す改善例を参考にしています(東京都保健医療局「医薬品的な用法用量について」)。ただし、言い換えれば必ず適法になるわけではありません。商品区分や表示全体の印象で個別に判断されます。語句単位の一覧は「薬機法のNGワード一覧」もあわせてご覧ください。

体験談・ビフォーアフター・医師の推薦の扱い

体験談

体験談を広告に使うこと自体は、直ちに虚偽誇大表示等(健康増進法・景品表示法)に当たるものではありません。ただし、体験談で病気の治療・予防や体の機能の増強を暗示すると、薬機法上の医薬品的な効能効果に当たり得ます。消費者庁の留意事項は、次のような使い方を問題としています。

  • 体験者や体験談をねつ造する
  • 依頼した好意的な体験談を、一般利用者の声のように見せる
  • 食事療法や薬物療法の併用を明示せず、摂取だけで効果が出たように見せる
  • 都合の良い体験談だけを選び、誰でも同じ効果が得られるように見せる

誤認を避けるには、調査した体験者の数と属性、同様の効果が得られた人と得られなかった人の割合を明瞭に示すことが推奨されています。

ビフォーアフター

使用前後の写真やイラストは、商品で得られる範囲を超える変化を見せると、虚偽誇大表示等に当たるおそれがあります。留意事項の広告例でも、4週間で大幅に減量した使用前後の画像が、短期間で容易に痩せるという印象を与えると指摘されています。

留意事項は、適切な運動や食事制限をしながら痩せられるのは6か月で4〜5kg程度までとしています。数字が目立つビフォーアフターほど、根拠と条件の確認が欠かせません。

医師・専門家の推薦

医師や学者の談話を引用して効能を暗示することは、46通知でも医薬品的な効能効果の暗示に当たります。留意事項も「○○%の医師の方が、『○○製品の利用をおススメする』と回答しました」「管理栄養士が推奨する○○成分を配合」といった表現を、健康保持増進効果等の表示の例に挙げています。

推薦者が実在しても、商品で得られない効果を連想させれば問題になり得ます。医師に報酬を払ってSNSで紹介してもらう場合は、広告である旨の明示も必要です。

消費者庁「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項」の要点

健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項については、2013年12月に制定され、2016年6月に全部改定、2022年12月5日に一部改定された消費者庁の指針です。実務上押さえたい要点は次のとおりです。

  • 特定の用語を一律に禁止するものではなく、表示全体(周辺の表現、写真、イラスト、配色まで)で個別に判断する
  • 疾病の治療・予防や身体機能の増強をうたう表示は、薬機法上の医薬品とみなされ、原則として承認なしには広告できない
  • トクホの許可表示、機能性表示食品の届出表示、栄養機能食品の基準を超える表示は虚偽誇大表示等のおそれ
  • 「個人の感想です」「効果を保証するものではありません」と書いても判断は変わらない
  • 試験条件を示さないグラフ、極端なトリミング、有意差の大きい試験だけの引用は問題になり得る
  • アフィリエイトサイトの表示でも、内容の決定を委ねた広告主は措置を受け得る

健康食品の広告に関わる担当者は、一度は全文に目を通しておくことをおすすめします。

違反した場合のリスク

法律 行政上の措置 刑事罰・金銭的不利益
薬機法 中止命令等(第72条の5) 第68条違反:2年以下の拘禁刑・200万円以下の罰金
健康増進法 指導、勧告・公表、命令 命令違反:6月以下の拘禁刑・100万円以下の罰金
景品表示法 措置命令(公表) 課徴金(売上額の3%)、直罰100万円以下、措置命令違反は2年以下の拘禁刑・300万円以下の罰金(法人は3億円以下)
特定商取引法 指示・業務停止命令等 最終確認画面の表示義務違反:3年以下の拘禁刑・300万円以下の罰金等(第70条)

金額だけでなく、措置命令は事業者名と違反内容が公表され、一般消費者への周知徹底も命じられます。健康増進法の改善指導でも、出店先のショッピングモール運営事業者に通知と協力依頼が行われます。取引先や顧客からの信用への影響は長く続きます。

消費者庁が公表した健康食品関連の事例には、次のようなものがあります。

  • 機能性表示食品(2023年6月30日 措置命令):自社サイト等で「血圧をグーンと下げる」などと表示。提出資料が合理的な根拠と認められず、2025年3月に計1億903万円の課徴金納付命令(措置命令/課徴金)
  • 機能性表示食品(2023年12月7日 措置命令):アフィリエイトサイトで「3週間で60.8kg→47.2kg」などの痩身表示と、根拠の不十分なNo.1表示(公表資料)
  • 健康茶(2024年3月6日 課徴金納付命令):同梱冊子で「2年半で-43kg!!」などと表示。運動と食事制限の併用を示す注記は、効果の認識を打ち消さないと判断され、1,771万円(公表資料)
  • サプリメント(2024年11月13日 措置命令):無償提供などを条件に依頼したInstagram投稿を、自社サイトに抜粋掲載したステマ(公表資料)

健康食品広告の公開前チェックリスト

商品区分と前提

  • □ 商品区分(トクホ/機能性表示食品/栄養機能食品/いわゆる健康食品)を確認した
  • □ 保健機能食品は、許可・届出・基準の範囲を超える表示がない
  • □ 原材料が「専ら医薬品として使用される成分本質」に当たらない

表現

  • □ 疾病名・症状の治療や予防をうたっていない(暗示を含む)
  • □ 疲労回復・免疫・代謝・若返りなど、身体機能の増強をうたっていない
  • □ 服用時期・間隔・量を指定していない(目安量の示し方を確認した)
  • □ 名称・キャッチコピー・由来説明・悩みの列挙で効能を暗示していない
  • □ 最上級・断定表現や、公的認証と誤認させる表示がない

根拠と見せ方

  • □ 効果表示の根拠(商品自体を用いたヒト試験等)を公開前に保有している
  • □ グラフの縮尺や試験条件(対象者・人数・摂取方法)を適切に示している
  • □ 体験談は実在し、併用した食事療法・運動や効果の出なかった人の割合を示せる
  • □ ビフォーアフターが商品で得られる範囲を超えていない
  • □ 打消し表示に頼らず、強調表示そのものが実態どおりになっている
  • □ 医師・専門家の推薦や談話で効能を暗示していない
  • □ インフルエンサー投稿や依頼した口コミに、広告である旨を明示している

取引条件と体制

  • □ 定期購入の条件(支払総額・回数・解約方法)を広告と最終確認画面に明示している
  • □ 「通常価格」との比較や「期間限定」が実態どおりである
  • □ アフィリエイト・代理店の制作物も含めて、公開前に確認する体制がある

項目が多く、LPや動画まで目視だけで確認すると漏れが出やすくなります。一次チェックにAIツールを使う方法もあります。アドミルは、広告のテキストや画像、LPを薬機法・景品表示法の観点からAIで審査し、NGになり得る表現と理由、代替案を示すツールです。仕組みは「薬機法AIチェックツールとは」で紹介しています。最終判断は、商品区分と表示全体を踏まえて行いましょう。

よくある質問(FAQ)

Q. 健康食品の広告で「効く」「効果」と書くのはNGですか?

語句だけで一律に決まるわけではありません。ただし、病気や症状に「効く」、体の機能を高める「効果」をうたえば、医薬品的な効能効果や虚偽誇大表示に当たるおそれが高くなります。何に対する効果かを、表示全体で確認してください。

Q. 「個人の感想です」と書けば体験談を載せてもよいですか?

その注記だけでは判断は変わりません。消費者庁は、注記があっても体験談を含む表示全体から効果があると受け止められ、実際にはそうでない場合は虚偽誇大表示等に当たるとしています。

Q. 機能性表示食品なら、届出表示をそのまま広告に使えば安全ですか?

届出表示の範囲内であることが前提です。一部を省いて商品自体に機能があるように見せる、運動なしで誰でも痩せるように見せる、国が認めたように見せるといった広告は問題になります。機能性表示食品に対する措置命令や課徴金納付命令も公表されています(前述の事例参照)。

Q. 広告代理店やアフィリエイターも責任を問われますか?

健康増進法第65条は「何人も」と定めているため、代理店やアフィリエイターも対象になり得ます。景品表示法では、アフィリエイターに表示内容を委ねた広告主が措置を受けた事例があります。

Q. 「1日2粒」と書いてはいけませんか?

46通知は、服用時期・間隔・量の記載を原則として医薬品的な用法用量とみなします。いわゆる健康食品では、食品であることを明示し「栄養補給の目安として」など目安量として示す方法が、東京都の改善例で示されています。栄養機能食品は、摂取方法の記載が医薬品的な用法用量に当たらない扱いです(「食前」「食後」など医薬品と誤認させる表現を除く)。

Q. サプリと健康食品で、広告規制は違いますか?

「サプリメント」も法律上の区分ではなく、保健機能食品でなければいわゆる健康食品に当たります。錠剤・カプセルは食品と明示すれば形状だけで医薬品とは判断されませんが、効能効果や用法用量の考え方は同じです。

Q. 医師に監修してもらえば、病気の名前を出せますか?

原則としてできません。監修や推薦があっても、食品が病気の治療・予防をうたえば医薬品的な効能効果に当たります。医師の談話の引用は、かえって効能の暗示と評価されることがあります。

まとめ

  • 健康食品の広告は、薬機法・健康増進法・景品表示法・特定商取引法・食品表示法が重ねて規制する
  • 最初の分かれ目は、46通知に照らした「医薬品的な効能効果・用法用量」の有無
  • 健康増進法と景品表示法は、表示全体の印象と根拠の有無で判断する。「個人の感想です」は免罪符にならない
  • 保健機能食品でも、許可・届出・基準の範囲を超えれば違反のおそれがある
  • 定期購入は、支払総額と解約条件を広告と最終確認画面の両方で明示する

適否は商品区分や表示全体で個別に判断されます。迷う表現は、管轄の都道府県薬務課や消費者庁の窓口への相談も検討してください。

参考資料


健康食品の広告表現を公開前にチェックしたい方は、AIで薬機法・景品表示法の観点から広告を審査するアドミルをご覧ください。→ アドミル(広告審査AI)