個人の特定商取引法に基づく表記|住所を非公開にできる条件と記載例

最終更新日:2026年8月24日

ネットショップやオンラインサービスを個人で始める際、「特定商取引法に基づく表記は個人でも必要なのか」「本名や自宅住所、電話番号まで公開しなければならないのか」と悩む方は少なくありません。 特定商取引法(とくていしょうとりひきほう。一般に特商法(とくしょうほう)とも呼ばれます)では、通信販売を行う販売業者・役務提供事業者に対して、販売価格や支払条件、氏名・住所・電話番号など一定事項の表示を求めています。 ただし、「個人だから対象外」「個人なら本名や住所を必ずWeb上に公開しなければならない」と単純に判断できるものではありません。 営利の意思を持って反復継続して通信販売を行う場合には、個人でも特定商取引法上の販売業者・役務提供事業者に該当する可能性があります。一方、氏名・住所・電話番号については、一定の条件を満たす場合に広告上の表示を省略できる場合があります。

読み方も確認

  • 特定商取引法 読み方:とくていしょうとりひきほう
  • 特商法 読み方:とくしょうほう
  • 役務 読み方:えきむ
  • 撤回 読み方:てっかい

この記事では、個人・個人事業主がネットショップなどを運営する場合を中心に、特定商取引法に基づく表記が必要になるケース、記載項目、本名・屋号の扱い、住所・電話番号を省略できる条件、バーチャルオフィスの考え方、具体的な記載例まで解説します。 なお、実際の適否は販売形態、商品・サービス、契約内容、利用するECプラットフォーム、表示全体などによって個別判断が必要です。

【早見表】個人の特定商取引法に基づく表記はどうすればいい?

個人の特定商取引法に基づく表記で確認する氏名・住所・電話番号

疑問 基本的な考え方
個人でも必要? 営利の意思を持って反復継続して通信販売等を行う場合、個人でも販売業者・役務提供事業者に該当する可能性があります。
本名は必要? 原則として、個人事業者は戸籍上の氏名または商業登記簿に記載された商号を表示します。ただし、一定条件では広告上の表示を省略できる場合があります。
屋号だけでよい? 原則として、通称・屋号・サイト名だけでは氏名または名称の表示としては足りません。
住所は非公開にできる? 住所は原則表示事項ですが、特定商取引法第11条ただし書の条件を満たす場合には広告上の表示を省略できる場合があります。
電話番号は非公開にできる? 電話番号も原則表示事項です。住所と同様に、一定条件では広告上の表示を省略できる場合があります。
バーチャルオフィスは使える? 通信販売の連絡先として実際に機能するなど、一定の条件を満たす場合には利用できると考えられています。

そもそも「特定商取引法に基づく表記」とは?

「特定商取引法に基づく表記」とは、通信販売を利用する消費者が、販売者の情報や契約条件を申込み前に確認できるようにするための表示です。 特定商取引法第11条では、通信販売の広告について、販売価格、支払時期・方法、商品の引渡時期、返品・契約解除に関する事項、販売業者等の氏名・住所・電話番号など、一定の事項を表示するルールが設けられています。 そのため、「特定商取引法に基づく表記」という固定ページを用意するだけでなく、実際の商品価格、送料、支払条件、発送時期、返品条件などと表示内容が一致しているかを確認することが重要です。

個人でも特定商取引法に基づく表記は必要?

個人であっても、特定商取引法上の「販売業者」または「役務提供事業者」に該当すれば、通信販売に関する規制の対象になります。 消費者庁は、「業として営む」とは営利の意思を持って反復継続して取引を行うことと説明しています。 また、営利の意思があるかどうかは、本人が「事業ではない」と考えているかだけではなく、取引実態などから客観的に判断されます。

個人事業主・副業・ハンドメイド販売でも対象になり得る

たとえば、次のようなケースでは個人であっても販売業者等に該当する可能性があります。

  • 自分のネットショップで商品を継続的に販売している
  • 商品を仕入れて継続的に販売している
  • ハンドメイド作品を反復継続して販売している
  • 有料のオンライン講座やコンサルティングを継続提供している
  • デジタル教材やコンテンツを継続販売している
  • フリマ・オークション等で営利目的の販売を反復継続している

反対に、自宅にある不要品を一度処分しただけのようなケースまで、一律に販売業者に該当するわけではありません。 実際には、販売回数だけでなく、仕入れの有無、販売数量、価格、反復性などを含めて判断されます。

個人が記載する特定商取引法に基づく表記の主な項目

一般的なネットショップを想定すると、主に次の項目を確認します。

項目 確認内容
販売業者・役務提供事業者 個人の場合は原則として戸籍上の氏名または商業登記簿に記載された商号
住所 原則として現に活動している住所
電話番号 確実に連絡が取れる番号
販売価格 商品・サービスの価格
商品代金以外の負担 送料、振込手数料など
支払方法・支払時期 クレジットカード、銀行振込等と、それぞれの支払時期
引渡時期 発送までの日数やサービス提供時期
返品・契約解除 返品の可否、期間、条件、送料負担など

必要な表示事項は、販売する商品・サービスや契約条件によって異なります。そのため、他社サイトのテンプレートをそのままコピーするのではなく、自身の取引内容と照合することが重要です。

個人は本名を公開する必要がある?屋号だけではダメ?

個人事業者の場合、原則となる「氏名又は名称」は、戸籍上の氏名または商業登記簿に記載された商号です。 個人事業者の屋号のみの表示と氏名を確認する表示例
消費者庁の「通信販売広告Q&A」では、通称、屋号、サイト名のみの表示は認められないとされています。

屋号だけを販売業者欄に書く場合は注意

表示例 考え方
販売業者:山田 花子 個人事業者が原則表示する場合の例
販売業者:山田 花子 屋号:Green Store 氏名と屋号を併記する例
販売業者:Green Store 屋号のみの表示となるため注意が必要

一定条件では氏名の表示を省略できる場合がある

一方、「個人事業主はどのような場合でもWeb上に本名を常時掲載しなければならない」という意味ではありません。 特定商取引法第11条ただし書では、一定条件を満たした場合に、氏名・住所・電話番号など一部の広告表示事項を省略できる仕組みがあります。 つまり、「屋号だけを本名の代わりに表示すること」と、「法令上の要件を満たして氏名表示を省略すること」は別の考え方です。

参考資料(出典): 消費者庁「通信販売広告Q&A」

個人の住所・電話番号は非公開にできる?

個人事業者にとって特に大きな悩みが、自宅住所や個人の電話番号をインターネット上に掲載することです。 特商法表記で住所と電話番号を表示省略する場合の確認ポイント
住所は原則として現に活動している住所、電話番号は確実に連絡が取れる番号を表示する必要があります。 ただし、特定商取引法第11条ただし書の要件を満たす場合には、広告上の氏名・住所・電話番号等の表示を省略できる場合があります。

表示を省略する場合に確認したい条件

  • 請求があれば表示事項を提供する旨を広告に表示している
  • 書面や電子メール等で情報を提供できる体制がある
  • 実際に請求された場合に遅滞なく提供できる
  • 購入者が申込みを決める前に十分な時間的余裕をもって確認できる

したがって、単に「住所:非公開」「電話番号:非公開」と記載するだけで、当然に表示義務を満たすとは限りません。

ポイント:法第11条ただし書による「表示省略」と、ECプラットフォームが提供する「代理表示・非公開機能」は分けて考えることが重要です。利用条件や対象項目はサービスごとに異なるため、各プラットフォームの最新情報も確認してください。

特商法ページだけでなくLPや申込画面の表示も確認できていますか?

ECサイトでは、特商法ページだけでなく、商品ページやLP、申込画面など複数箇所の確認が必要になります。制作段階から確認ポイントを整理しておくことで、広告制作と法務確認の両立を進めやすくなります。 AIによる広告法務チェックツール「アドミル」なら、リスク箇所を瞬時に判定し、ガイドラインに沿った代替表現の方向性をご提案します。

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氏名・住所・電話番号を省略する場合の記載例

法第11条ただし書の条件を満たす運用を行う場合には、たとえば次のように、請求に応じて情報を提供する旨を表示する方法が考えられます。

項目 記載例
販売業者 請求があった場合、遅滞なく開示します。
所在地 請求があった場合、遅滞なく開示します。
電話番号 請求があった場合、遅滞なく開示します。

ただし、この文章を掲載するだけで省略要件を満たすとは限りません。実際に消費者から請求があった際、申込みの意思決定前に十分な時間的余裕をもって情報提供できる運用体制が必要です。

バーチャルオフィスの住所は特商法表記に使える?

自宅住所を公開したくない個人事業主の場合、バーチャルオフィスの利用を検討するケースもあります。 特商法表記における住所・バーチャルオフィス・私書箱の違い 消費者庁の通信販売広告Q&Aでは、必要な措置が講じられ、通信販売上の連絡先として機能する場合には、プラットフォーム事業者やバーチャルオフィスの住所・電話番号を表示することで特定商取引法上の要請を満たし得るとの考え方が示されています。 ただし、バーチャルオフィスを契約すれば一律に利用できるという意味ではありません。

バーチャルオフィス利用時に確認したいポイント

  • その住所・電話番号を通信販売の連絡先として利用することについて合意がある
  • 運営者が個人事業者の現住所や本人名義の電話番号を把握している
  • 運営者と個人事業者との間で確実に連絡できる体制がある

契約予定のバーチャルオフィスが特商法表記での利用を認めているかについても、各サービスの利用規約等を確認しましょう。

参考資料(出典): 消費者庁「通信販売広告Q&A」

私書箱だけを住所として使うのは?

バーチャルオフィスと混同しやすいのが私書箱です。 消費者庁Q&Aでは、特定商取引法上の「住所」は営業上の活動の拠点となる場所を指すとされています。 そのため、単に郵便物を受け取るための私書箱を表示しただけでは、住所を表示したことにはならないとされています。 「郵便を受け取れる場所」と「特定商取引法上表示する住所」は同じとは限らない点に注意が必要です。

電話番号は携帯電話でもよい?

電話番号について重要なのは、固定電話か携帯電話かという形式だけではなく、消費者から確実に連絡が取れる番号として機能しているかです。 また、営業時間外まで常時電話に出なければならないという意味ではなく、消費者庁Q&Aでは、夜間など営業時間外に留守番電話等を利用することは差し支えないとされています。

【コピペ用】個人向け「特定商取引法に基づく表記」の記載例

以下は、一般的な物販ECを想定した参考例です。実際には、自身の商品、決済方法、送料、配送方法、返品条件などに合わせて変更してください。

項目 記載例
販売業者 山田 花子
屋号 Green Store
所在地 〒000-0000 東京都○○区○○0-0-0
電話番号 00-0000-0000
販売価格 各商品ページに税込価格を表示
商品代金以外の必要料金 送料全国一律○○円。銀行振込の場合は振込手数料をご負担いただきます。
支払方法 クレジットカード、銀行振込
支払時期 クレジットカード:注文時。銀行振込:注文後○日以内。
商品の引渡時期 決済確認後、○営業日以内に発送します。
返品・交換 返品の可否、受付期間、条件、返送料の負担等を具体的に記載します。

注意:この記載例をそのまま使用すれば適法になることを保証するものではありません。販売する商品・サービス、支払条件、返品条件、定期購入の有無などに合わせて個別に調整してください。

通信販売にはクーリング・オフがある?

通信販売には、訪問販売などと同じ意味での一律のクーリング・オフ制度はありません。 一方、特定商取引法第15条の3では、通信販売で購入した商品について、一定の場合に商品の引渡しを受けた日から数えて8日以内であれば契約の申込みの撤回または解除ができるルールがあります。 ただし、販売業者が返品に関する特約を広告上で適切に表示している場合には、その返品特約が重要になります。 そのため、「通販だから8日以内なら必ず返品できる」「返品不可と書けばどのような表示でもよい」と単純には判断できません。

返品条件は「返品は応相談」だけでは不十分になり得る

返品特約を設ける場合には、購入者が申込み前に判断できるよう、返品の可否、受付期間、条件、送料負担などを具体的に示すことが重要です。

注意が必要な例

返品についてはお問い合わせください。

改善の方向性

「商品到着後○日以内にご連絡ください」などの期間に加えて、お客様都合で返品できるか、不良品の場合はどう対応するか、返送料を誰が負担するかなどを具体的に整理します。 実際の適否は、商品や契約内容、表示全体によって個別判断が必要です。

発送時期は「入金確認後発送」だけで十分?

商品の引渡時期については、購入者がいつ頃商品を受け取れるのか判断できるようにすることが重要です。 たとえば、 「入金確認後発送します」 とだけ表示するよりも、 「決済確認後、3営業日以内に発送します」 など、期間や期限を具体的に示す方向が分かりやすいでしょう。

定期購入・サブスクは特商法ページだけ確認しても足りない

定期購入やサブスクリプション商品を販売する場合には、「特定商取引法に基づく表記」の固定ページだけでなく、消費者が申込みを確定する最終確認画面も確認する必要があります。 特商法ページとEC最終確認画面で確認する表示項目の違い 特定商取引法第12条の6では、インターネット通販の申込み段階における表示についてルールが設けられています。 最終確認画面では、主に次の事項を消費者が確認できるようにする必要があります。

  • 商品の分量
  • 販売価格・送料
  • 支払時期・支払方法
  • 商品の引渡時期
  • 申込期間に定めがある場合はその内容
  • 返品・契約解除等に関する事項

特に定期購入では、初回価格だけでなく、2回目以降の価格、契約期間、購入回数、支払総額、解約条件などを含めて確認することが重要です。 法第11条に基づく広告表示を整えていても、それだけで法第12条の6に基づく最終確認画面の表示義務を満たしたことにはなりません。

個人の特商法表記でよくある注意例4つ

1.販売業者名を屋号だけにしている

注意が必要な例:販売業者:Green Store 改善の方向性:原則表示する場合は、戸籍上の氏名または商業登記簿に記載された商号を基準に確認し、必要に応じて屋号を併記します。

2.住所を単に「非公開」と記載している

注意が必要な例:所在地:非公開 改善の方向性:法第11条ただし書による省略要件を満たすか、利用するECプラットフォームの代理表示制度がどのような条件で提供されているかを確認します。

3.返品条件が「応相談」だけになっている

注意が必要な例:返品:応相談 改善の方向性:返品の可否、受付期間、条件、返送料の負担などを具体化します。

4.発送時期が具体的でない

注意が必要な例:入金確認後発送します。 改善の方向性:「決済確認後○営業日以内に発送」など、期間または期限を示します。 いずれも、実際の適否は販売形態、契約条件、表示全体、前後文脈などによって個別判断が必要です。

BASE・STORES・minneなどのECサービスを使う場合は?

ECプラットフォームによっては、個人・個人事業主向けに住所や電話番号の非公開機能、またはプラットフォーム運営会社の住所等を表示する仕組みを用意している場合があります。 ただし、次のような条件はサービスごとに異なります。

  • 誰が利用できるか
  • 氏名も非公開にできるか
  • 住所・電話番号だけが対象か
  • 実住所や実電話番号の登録が必要か
  • 発送元住所として利用できるか
  • バーチャルオフィスの登録が認められているか

特商法ページで住所を表示しないことができても、商品発送時の送り状等についてまで同じ条件になるとは限りません。 利用しているプラットフォームの最新の公式ヘルプ・利用規約を確認してください。

特定商取引法に基づく表記はどこに置けばよい?

ネットショップでは、「特定商取引法に基づく表記」という固定ページを作成し、フッターや商品ページなどから確認できるようにする方法が一般的です。 ただし、「フッターにリンクを置くだけで必ず足りる」と一律に判断できるわけではありません。 通信販売の広告では、購入者が必要な表示事項を容易に認識できることが重要です。また、最終確認画面には別途、特定商取引法第12条の6に基づく表示が必要になります。

個人向け|特定商取引法に基づく表記の公開前チェックリスト

  • 自分が販売業者・役務提供事業者に該当するか確認した
  • 氏名を表示する場合、屋号だけになっていない
  • 住所が現に活動している住所として適切か確認した
  • 電話番号が確実に連絡の取れる番号になっている
  • 氏名・住所・電話番号を省略する場合、法第11条ただし書の条件を確認した
  • 請求時に遅滞なく情報提供できる体制を整えている
  • ECプラットフォームの非公開・代理表示機能の最新条件を確認した
  • バーチャルオフィスを利用する場合、通信販売の連絡先として機能するか確認した
  • 送料や手数料を具体的に表示している
  • 支払方法・支払時期を明確にしている
  • 商品の引渡時期を具体的にしている
  • 返品の可否・期間・条件・送料負担を明確にしている
  • 定期購入の場合、継続条件・金額・解約条件を確認した
  • 最終確認画面も確認した
  • 特商法ページとLP・商品ページ・申込画面の内容に矛盾がない

広告・LP・EC画面の確認工数を減らしたい方へ

特商法表記だけでなく、LPや商品ページ、申込画面まで確認するとチェック範囲は広くなります。制作段階からリスクになり得る箇所を整理しておくことが重要です。 AIによる広告法務チェックツール「アドミル」なら、リスク箇所を瞬時に判定し、ガイドラインに沿った代替表現の方向性をご提案します。

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個人の特定商取引法に基づく表記に関するFAQ

個人でも特定商取引法に基づく表記は必要ですか?
営利の意思を持ち、反復継続して通信販売を行う場合には、個人でも特定商取引法上の販売業者・役務提供事業者に該当する可能性があります。販売回数だけでなく、取引実態などを踏まえて判断する必要があります。
個人事業主は屋号だけを表示すればよいですか?
原則として、通称・屋号・サイト名だけでは足りません。個人事業者の場合は戸籍上の氏名または商業登記簿に記載された商号が基本です。ただし、法第11条ただし書の条件を満たす場合には氏名表示を省略できる場合があります。
本名を非公開にできますか?
一定条件を満たす場合には、広告上の氏名表示を省略できる場合があります。ただし、請求があった際に申込みの意思決定前に十分な時間的余裕をもって情報提供できる体制などが必要です。
自宅住所を非公開にできますか?
住所は原則表示事項ですが、法第11条ただし書の条件を満たす場合には広告上の表示を省略できる場合があります。また、一定条件のもとでプラットフォームやバーチャルオフィスの住所を利用できる場合もあります。
電話番号も非公開にできますか?
電話番号も原則表示事項ですが、住所と同様、法第11条ただし書の条件を満たす場合には広告上の表示を省略できる場合があります。
バーチャルオフィスの住所は使えますか?
一定の条件を満たし、通信販売上の連絡先として実際に機能する場合には利用できると考えられています。契約しているだけで一律に利用できるとは限らないため、契約内容や連絡体制の確認が必要です。
私書箱を住所として使えますか?
消費者庁Q&Aでは、単なる私書箱は営業上の活動拠点となる住所とはいえず、住所を表示したことにはならないとされています。
携帯電話番号でもよいですか?
固定電話か携帯電話かだけで一律に決まるものではなく、消費者が確実に連絡できる番号として機能しているかが重要です。
通信販売にはクーリング・オフがありますか?
訪問販売などと同じ意味での一律のクーリング・オフ制度はありません。一方、商品については特定商取引法第15条の3による返品に関するルールがあるため、返品特約の表示も重要です。
SNSだけで販売している場合も特商法は関係しますか?
SNSを利用していても、通信手段によって申込みを受け、業として商品販売や役務提供を行う場合には通信販売に該当する可能性があります。媒体名ではなく、実際の販売方法・申込方法から判断する必要があります。
特商法ページを作れば最終確認画面は確認しなくてもよいですか?
いいえ。特定商取引法第11条の広告表示と、第12条の6に基づく最終確認画面の表示は別のルールです。特商法ページを設置しただけで最終確認画面の確認が不要になるわけではありません。

まとめ|個人は「公開する・しない」だけでなく表示省略の条件まで確認しよう

特定商取引法に基づく表記は、法人だけに関係するルールではありません。 営利の意思を持って反復継続して通信販売等を行う場合には、個人でも販売業者・役務提供事業者に該当する可能性があります。 個人事業者の氏名・住所・電話番号は原則として表示事項ですが、特定商取引法第11条ただし書の条件を満たす場合には、広告上の表示を省略できる余地があります。 ただし、「屋号だけを記載すること」と「氏名を表示省略すること」は別です。また、住所の表示省略と、プラットフォームやバーチャルオフィスの住所を表示する方法も分けて考える必要があります。 さらに、特商法ページだけでなく、商品ページ、LP、返品条件、定期購入条件、申込画面、最終確認画面まで一連の表示を確認することが重要です。 ※本記事は、公開日時点で確認した法令・公的資料をもとに一般的な情報提供を目的として作成したものであり、個別案件に対する法的助言ではありません。実際の適否は、販売形態、商品・サービス、契約内容、取引実態、表示全体、利用するプラットフォーム等によって異なります。必要に応じて弁護士等の専門家または所管行政機関へご確認ください。