以下では、「広告表現で違反しやすい文言例一覧と対策」というテーマで記事を作成します。
広告担当者が押さえておきたい“よく使ってしまいがち”かつ“違反リスクが高い”表現例を挙げ、それぞれの対策方法を解説していきます。
目次
- 広告表現を取り巻く主な法律と規制
- 違反しやすい文言例一覧
- 2-1. 医薬品的な効能を暗示する表現
- 2-2. 過度な優良誤認を引き起こす表現
- 2-3. 過度な有利誤認を引き起こす表現
- 2-4. 根拠があいまいな表現
- 2-5. 限定商法をめぐる表現
- 違反しやすい表現への対策方法
- 3-1. 法律・ガイドラインの理解と社内共有
- 3-2. 表現に対するエビデンスの整備
- 3-3. チェック体制とツール活用
- まとめ
1. 広告表現を取り巻く主な法律と規制
広告担当者が注意すべき代表的な法律には、以下のようなものがあります。
- 薬機法(旧薬事法)
- 医薬品や医療機器、医薬部外品、化粧品等の広告表現を規制する法律。
- 「治療」「改善」「予防する」など医薬品的な効能を暗示する表現は原則NG。
- 景品表示法(景表法)
- 商品やサービスの不当な表示、過大な景品(特典)提供を規制する法律。
- 「優良誤認表示」や「有利誤認表示」を防ぐことが目的。
これらの法律やガイドラインに違反した場合、措置命令・課徴金納付命令・刑事罰などのリスクが発生します。
2. 違反しやすい文言例一覧
本章では、広告で頻出しがちな違反リスクの高い表現を紹介します。
2-1. 医薬品的な効能を暗示する表現(薬機法違反リスク)
- 「治す」「治療する」「予防する」「改善する」
- 例:「このサプリで血圧が下がる」「この化粧品でニキビが治る」
- NG理由:医薬品扱いとなる表現であり、許可なく医薬的効能を謳うと薬機法違反になる。
- 「ドクター推奨」「専門家が認める〇〇」
- 例:医師や薬剤師のコメントを強調し、医薬的効果を暗示するケース。
- NG理由:根拠が不十分なまま医師等の権威を用いると、消費者を誤認させやすい。
2-2. 過度な優良誤認を引き起こす表現(景表法違反リスク)
- 「絶対に」「必ず」「世界初」「日本初」「業界No.1」
- 例:「絶対に痩せる!」「世界初の技術」「日本一売れている」
- NG理由:比較対象や客観的なデータを提示せずに使用すると、事実誤認(優良誤認)につながる。
- 「一日で劇的効果」「100%成功」
- NG理由:あまりに断定的な言い回しであり、実際の効果よりも著しく優良であると消費者に誤解を与える。
2-3. 過度な有利誤認を引き起こす表現(景表法違反リスク)
- 「通常価格〇〇円⇒今だけ半額!」
- NG理由:そもそもの「通常価格」が実績のない架空価格の場合、有利誤認表示に該当する可能性が高い。
- 「○○円引き」「○○%OFF」
- NG理由:適用条件が極端に限定的だったり、実際に提供されていない割引率を表示すると問題になる。
2-4. 根拠があいまいな表現
- 「科学的に証明された」「医学的に実証済み」
- NG理由:実際にどのような試験や研究によるものか不明だと誤認リスクが高い。
- 「SNSで話題沸騰中」「芸能人も愛用」
- NG理由:具体的なエビデンス(数字・出典)がないと、宣伝目的の誇大表現とみなされる可能性がある。
2-5. 限定商法をめぐる表現
- 「先着○名限定」「残りわずか!」
- NG理由:実際には無制限に販売していたり、在庫が十分あるにもかかわらず煽る行為は有利誤認に該当。
- 「○日間限定セール」「最後のチャンス」
- NG理由:実態と異なる限定セールや、事実上ずっと続けているセールは消費者を誤認させる。
3. 違反しやすい表現への対策方法
上記で紹介した文言例を使う場合、または類似の表現を検討する際には、以下の対策を行いましょう。
3-1. 法律・ガイドラインの理解と社内共有
- 薬機法・景品表示法の基礎知識を学ぶ
- 「医薬的効能の表現は避ける」「優良誤認・有利誤認につながる表現は慎重に」など、基本的な注意点を押さえる。
- 社内ガイドラインを整備し、担当者全員で共有
- 制作担当・チェック担当・法務部など、ステークホルダー間での情報連携を密にする。
3-2. 表現に対するエビデンスの整備
- 客観的データの取得と明示
- 「No.1」や「世界初」といった表現を使う場合は、第三者調査機関のデータ・特許情報など裏付け資料が必須。
- 期間・価格の根拠を明確に
- セール時の通常価格や割引率の根拠を記録し、いつでも提示できるようにしておく。
- 医薬的な効能に近い訴求の場合は専門家と相談
- サプリや美容健康商品においては、法務部・薬事担当者・顧問弁護士などと相談しながら広告文を作る。
3-3. チェック体制とツール活用
- 複数担当者によるダブルチェック
- 広告制作時・公開前に、表現に違反リスクがないか複数名で確認する。
- AIチェックツール「アドミル」の活用
- 薬機法や景品表示法に抵触しそうなキーワードや表現を自動で検知。
- 見落としやすい部分をカバーし、効率的にコンプライアンスを強化できる。
4. まとめ
広告表現は“魅力的に伝える”ことと“法令を守る”ことのバランスが重要です。
一見効果的に見えるフレーズでも、薬機法や景品表示法の観点からは違反リスクが高いケースが多々あります。
- 「絶対」「必ず」「No.1」「治す」「予防する」などの断定的表現には要注意
- データや調査結果をともなわない優良・有利誤認表現は避ける
- 本当に限定しているか、値引きの根拠はあるかなど、消費者を誤解させないよう確認する
違反しやすい文言を回避するためにも、社内で法律やガイドラインを共有しながら複数名でダブルチェックを行い、AIチェックツールなどのサポートも検討してみてください。法令順守を徹底することで、トラブルを回避しながら信頼性の高い広告を実現できます。