【薬機法】「毛穴レス」はNG表現?化粧品広告での注意点とOKな言い換え表現を徹底解説

化粧品や美容商材の広告において、消費者の目を引くキャッチコピーは非常に重要です。特に「毛穴」に関する悩みは深いため、「毛穴レス」や「毛穴が消える」といった強い言葉を使いたくなる場面も多いのではないでしょうか。

しかし、この「毛穴レス」という表現は、薬機法(旧薬事法)や景品表示法において非常にデリケートなラインにあり、場合によっては違法となるリスクがあります。

今回は、なぜ「毛穴レス」がNGとされる可能性があるのか、その法的根拠と、広告審査をクリアするための「安全な言い換え表現」について解説します。

なぜ「毛穴レス」は薬機法でリスクがあるのか?

結論から言うと、「毛穴レス」という言葉自体が直ちに違反となるわけではありませんが、文脈によって「身体の構造機能の変化」を暗示する場合、薬機法違反(第66条:虚偽・誇大広告等の禁止)になります。

1. 「構造の変化」を謳うことはできない

化粧品の効能効果として認められているのは、あくまで「肌を健やかに保つ」「肌にツヤを与える」といった範囲です。

「毛穴レス=毛穴がなくなる」という表現は、皮膚の構造そのものを変えてしまう(治療的な効果がある)と消費者に誤認させる恐れがあります。

参考:医薬品等適正広告基準

医薬品等の効能効果について、承認を受けた範囲をこえた表現、事実に反する認識を与えるおそれのある表現をしてはならない。

(出典:厚生労働省「医薬品等適正広告基準」)

2. 「メーキャップ効果」か「スキンケア効果」かで判断が分かれる

「毛穴レス」という言葉を使う際、重要なのが「物理的に隠す(メーキャップ)」のか、「肌の状態を変える(スキンケア)」のかという点です。

NGになりやすい例(スキンケア効果として謳う)

美容液を塗るだけで毛穴が消えてなくなる

肌質が変わり、毛穴レスな肌になる

OKになる可能性がある例(メーキャップ効果として謳う)

ファンデーションで毛穴レスな陶器肌に見せる

(※ただし「見せる」「演出する」「メーキャップ効果」等の打消し表示が必須となるケースが多いです)

具体的なNG表現とOKな言い換え【シーン別】

ここでは、よくある「毛穴」訴求におけるNG例と、薬機法を遵守したOKな言い換え表現をご紹介します。

ケース1:スキンケア(化粧水・美容液など)の場合

スキンケア用品において「毛穴がなくなる」「閉じる」といった表現は、承認された効能効果(全56項目)の範囲外となるためNGです。

NG表現(リスク大)OK表現(言い換え案)訴求のポイント
毛穴が消える毛穴を目立たなくする乾燥による見え方の変化
毛穴を小さくするキメを整える肌のコンディション
毛穴レスな肌へなめらかな肌へ肌の質感
開いた毛穴を閉じる肌を引き締める収れん効果

ポイント

「乾燥してキメが乱れているから毛穴が目立つ」というロジックに対し、「保湿によってキメを整え、毛穴を目立たなくする」という表現であれば事実に基づいた範囲として許容されます。

ケース2:洗顔料・クレンジングの場合

「汚れを落とす」という物理的な作用に基づいた表現は認められやすい傾向にあります。

NG表現(リスク大)OK表現(言い換え案)訴求のポイント
毛穴をごっそり無くす毛穴の汚れを落とす洗浄効果
毛穴の奥まで浸透して修復毛穴の奥の汚れまで洗う洗浄効果
黒ずみが消滅古い角質や汚れをオフ洗浄効果

参考:化粧品の効能効果の範囲

(47)皮膚の汚れを落とす。(48)皮膚を清浄にする。

(出典:厚生労働省「化粧品の効能効果の範囲」)

ケース3:ファンデーション・下地の場合

物理的に覆って隠す「メーキャップ効果」であれば、比較的強い表現も可能です。ただし、「塗っている間だけ」であることが伝わる必要があります。

  • 推奨表現: 「毛穴をカバーして目立たなくする」「毛穴レス*な仕上がり(*メーキャップ効果による)」

医薬部外品(薬用化粧品)なら「毛穴レス」と言える?

検索クエリにも「医薬部外品 洗顔」「薬用」といった言葉が見られますが、医薬部外品であっても「毛穴をなくす」「毛穴の構造を変える」という表現は原則NGです。

医薬部外品は「ニキビを防ぐ」「肌あれ」などの特定の効果が認められていますが、「毛穴を消す」という効能効果が認められた成分は現時点では一般的ではありません。

医薬部外品で可能な表現例:

「ニキビを防ぎ、毛穴詰まりをケアする」

「肌をひきしめ、毛穴を目立たなくする」

まとめ:薬機法を守りながら魅力を伝えるには

「毛穴レス」という言葉は、消費者の願望を捉える強力なワードですが、使い方を誤ると薬機法違反(誇大広告)のリスクがあります。

  1. 構造変化(毛穴が消滅する)を暗示しない
  2. 「汚れを落とす」「キメを整える」「カバーする」といった事実に即した表現に置き換える
  3. メーキャップ効果なのかスキンケア効果なのかを明確にする

これらを意識することで、リスクを回避しながら商品の魅力を正しく伝えることができます。

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※本記事は情報提供を目的としており、具体的な法律判断を保証するものではありません。個別の事案については、専門家や管轄の行政庁へご相談ください。